「膝を曲げると、お皿の上あたりが痛む」
「膝の裏側に激痛が走る」
膝を曲げた際に突然痛みが走ると、不安になりますよね。
とくにご年配の方で膝が急に痛くなった場合は、「変形性膝関節症」の可能性があるため注意が必要です。痛みは人によって異なりますが、最悪の場合歩行困難に陥る恐れがあります。
また、膝が痛む原因は年齢から来るものばかりではありません。若年層の方でも膝を酷使すると、半月板損傷になる可能性も十分に考えられます。
今回は、膝を曲げると突然痛みが走った原因や、膝の負担を減らす方法を簡単に解説します。
膝の痛みの放置は今後の人生を大きく左右する恐れがあるため、本記事を参考に、最善の解決策を取り入れてください。
膝を曲げた時に突然痛みを感じた時の考えられる原因

膝を曲げた際に突然痛みを感じた時の考えられる主な原因は、次の4つです。
- スポーツ・運動などによるひざの酷使
- 軟骨がすり減る事で炎症が起きている
- ひざの負傷
- 何らかの病気
それぞれの原因をみていきましょう。
スポーツ・運動などによる膝の酷使
激しい運動を行っていると、膝を曲げた際に突然痛みを感じるケースがあります。運動を行って膝が痛む原因は、主に2つ考えられます。
1つ目は、膝蓋腱炎(しつがいけんえん)です。膝を酷使することで発症し、バスケットボールやバレーボールなど、ジャンプ動作の多い運動を行なっている方に見られやすい症状です。
通称、「ジャンパー膝」と呼びます。膝蓋腱は膝を伸ばす際に大きく関与する関節で、ジャンプ動作が繰り返されることで負担がかかり、ジャンパー膝を発症します。
激しい運動で膝が痛む原因の2つ目は、腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)です。腸脛靭帯炎は、ランニングなどで膝を繰り返し使用することで、発症する可能性があります。通称「ランナー膝」と呼ばれており、日頃からランニングを行っている方が発症しやすいのが由来です。
以上が、激しい運動を行うことで膝が痛む原因です。これらの症状は、保存療法でも解消できる可能性があります。
そのため、「膝を曲げるたびに痛い」と感じる方は、一度運動を中止するのが好ましいです。我慢して運動を行っていては、慢性的な怪我につながる恐れがあります。最悪、今後激しいスポーツができなくなるケースも考えられます。
軟骨がすり減る事で炎症が起きている
膝には、クッションの役割を補う軟骨があります。軟骨は消耗品であり、歳を重ねるにつれてすり減ってきます。関節がすり減ると、軟骨に炎症が起きてしまうため、膝を動かすたびに痛みを感じる場合があります。
初期段階では、歩いたり階段を昇り降りしたりするときに、「膝が少し痛いな」と感じる程度です。はじめは軽度の痛みですが、症状がひどくなると、階段を使用するのが困難になったり正座できなくなったりする恐れがあります。
しかし消耗品である軟骨がすり減るのを、完全に止める手立てはありません。実際に、軟骨がすり減って膝を痛めている方は、確認できるだけでも2,500万人以上いるといわれています。
確認できていない方も含めると、日本人の4人に1人の割合で軟骨はすり減っており、軟骨のすり減りを完全には止めるのは難しいことが伺えます。
40代以降になると軟骨のすり減りは激しくなってくるため、年を重ねてからは、激し目の運動を避けるのが無難です。体を動かしたい方は、プールでの運動がおすすめです。膝にかかる負担が少ないため、ご年配の方でも気持ちよく運動できるでしょう。
ひざの負傷
軟骨のすり減りなどの内的要因や、怪我も含めて、膝を負傷していると曲げた際に痛みを感じます。内的要因は完治できないものもありますが、怪我などは、保存療法で回復する可能性があります。
膝に痛みを感じている方は、我慢するのではなく、すぐに整形外科を受診しにいきましょう。早めに対処することで、大きな怪我につながるのを防げる可能性があります。
何らかの病気
膝に関する病気はさまざまですが、症状で多いのは次のとおりです。
- 変形性膝関節症
- 関節リウマチ
- 鵞足炎
- 痛風
後ほど詳しく説明しますが、これらの症状は、どれも膝を痛める原因です。膝が少し痛い程度であっても、病気が原因の可能性もあります。
そのため、「痛みは軽度だから我慢する」ではなく、多少の膝痛でも抱えている方は、整形外科を受診してください。膝の痛みには、大袈裟になるほどがベストです。

膝を曲げた時に突然痛みを感じた時の考えられる6つの病気・怪我

膝を曲げたときに突然痛みを感じた時の考えられる病気や怪我は、次の6つです。
- 変形性膝関節症
- 半月板の損傷
- 関節リウマチ
- 膝靭帯損傷
- 鵞足炎
- 痛風
それぞれの原因や症状を、詳しくみていきましょう。
変形性膝関節症
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは、すり減った軟骨に負担がかかることで、膝関節が徐々に変形していく病気です。階段の上り下りや屈伸の動作で膝に痛みを感じるのが特徴です。症状が悪化すれば、動いていなくても膝が痛むようになるため、日常生活に支障をきたしかねません。
変形性膝関節症の患者数は日本で2500万以上いるといわれており、男女ともに60歳以上のご年配の方が発症しています。
日本の人口は1億2,000万人ほどといわれているため、約5人に1人が、変形性膝関節症を患っていると考えられます。そのため、60歳以上の方で膝に痛みがあれば、まずは変形性膝関節症を疑いましょう。
半月板の損傷
半月板とは、膝のクッションの役割を補う関節です。膝に外部からの強い力が加わったり激しいスポーツなどを行って膝に負担が蓄積されされたりすることで、半月板が損傷する可能性があります。とくに発症しやすい箇所は、半月板の内側です。
症状が軽いと、軽度の痛みで済みます。しかし重症化すると、「ロッキング」と呼ばれる症状に陥ってしまい、膝を曲げ伸ばしできなくなります。当然、手術を必要とします。また半月板付近には血流が少ないため、自然治癒は期待できません。
そのため一度半月板を損傷すると、次のどちらかの方法で、怪我と向き合っていく必要があります。
- 激しい運動を控えて様子をみる
- 手術してスポーツに復帰する
よく取られる手段は、激しい運動を控えて様子をみるケースです。半月板の損傷に用いられる手術は、「損傷部分の切除」か「損傷部分の縫合」です。どちらも膝に大きなダメージが入るため、手術を勧めてくる医者は少ないです。手術したとしても、今後は激しいスポーツをできない可能性もあります。
しかし、半月板の損傷は、膝周りの筋力強化や運動前後のストレッチで予防できます。体のケアを大切にして、スポーツに励んでください。
関節リウマチ
関節リウマチとは、体内の免疫が以上をきたすことで炎症が発生して、関節が痛んだり変形したりする病気です。具体的な原因は解明されていないものの、次のような理由が濃厚とされています。
- 遺伝
- 喫煙
- 歯周病
関節リウマチの原因には、喫煙などの、生活習慣が関与しているといわれています。つまり、健康的な生活は、関節リウマチの予防にもなります。
膝靭帯損傷
靭帯とは骨と骨を結ぶ組織で、関節が動きすぎないようにするために、ストッパーの役割を補っています。膝関節には、太ももと脛の骨を結ぶ靭帯が4本通っています。これらのうち1本でも損傷したり断裂したりすることを、膝靭帯損傷と呼びます。
膝靭帯損傷の原因は、半月板損傷とほとんど同じです。激しい運動や外部からの強い力が膝に加わることで、発症する可能性があります。つまり、膝靭帯を損傷すると、半月板も怪我している可能性があります。
しかし膝靭帯は半月板と違い、付近に十分な血流が通っているため、完治する可能性もあります。そのため膝靭帯損傷は、半月板損傷ほど、選手生命を脅かす怪我ではありません。
鵞足炎
鵞足炎(がそくえん)とは、膝の内側の5cmほど下に痛みを感じる病気です。スポーツなどで膝を酷使することで発症したり、打撲が原因で鵞足炎になったりする可能性もあります。大きな病気でないため、基本的に保存療法で対処できます。
痛風
痛風は足の親指の付け根に発症しやすいですが、膝関節に痛みを伴うケースもあります。発作的に痛みを感じ、重症化すると、3日ほど歩けないケースもあります。痛みは凄まじく、風が疾患箇所に当たるだけで痛みを感じることから、「痛風」と名付けられました。
痛風の原因には、「高尿酸血症」が関わっていると考えられています。高尿酸血症とは、体内で尿酸が作られすぎている状態です。尿酸は体の新陳代謝により発生する老廃物で、体内の尿酸は産生と排出のバランスを保ちながら、一定の量をキープしています。
しかし、尿酸が作られすぎたり、排出がスムーズにできなかったりすると、体内の尿酸は一定量を超えます。尿酸の余剰分は結晶化して、関節や組織に蓄積されていきます。関節にたまった尿酸の結晶に対して、免疫細胞が反応し、炎症を起こして痛風となります。
膝を曲げて痛みを感じた時の対処法

膝を曲げて痛みを感じた時の対処法は、次のとおりです。
- 温めて安静にする
- 腫れている場合は冷やす
- 痛みが落ち着いてきたらストレッチも効果的
- 改善しない場合は病院を受診する
- 手術する
膝痛への対処法を見ていきましょう。
温めて安静にする
患部を温めると、血流が良くなったり筋肉が柔らかくなったりするため、膝痛が改善する可能性があります。温めるタイミングは、怪我が慢性期に入ってからです。前提として、怪我には急性期と慢性期があります。
急性期とは、怪我をしてから3日ほどまでの期間を指します。この頃は内部で炎症を起こしているため、アイシング治療(患部を冷やす)がメインです。
一方で慢性期とは、怪我をしてから3日以降の期間を指します。この頃には炎症は治まっている傾向にありますが、筋肉が硬かったり血流が悪かったりなど、体内の状態は良くありません。このような状態を解消するために、慢性期には患部を温める治療が必要です。
ただし、怪我の内容によっては、急性期と慢性期の日数は異なります。急性期も長ければ1週間ほど続きます。慢性期かどうか判断するには、痛い箇所と他の部分を触ってみて、温度の違いを確認してください。患部が熱くない場合は、慢性期と判断して大丈夫です。
腫れている場合は冷やす
怪我の箇所が腫れている場合には、アイシングをしてください。アイシングには、血管を収縮させる効果があるため、患部の腫れを解消できる可能性があります。また、皮膚の温度が低下するため、一時的に痛みも軽減されます。
アイシングする際は、次のような手順で行いましょう。
- 氷を袋に入れる
- 袋をタオルな布で覆う
- 皮膚の感覚がなくなるまで患部を冷やす(時間にして10分ほど)
- 完了
以上のようにアイシングは、手軽にできて怪我の解消に効果的な治療です。なお、アイシングと温める治療を上手く取り入れることで、スムーズな怪我の解消につながります。急性期にはアインシングを行い、慢性期には温めて治療してください。
痛みが落ち着いてきたらストレッチも効果的
ストレッチを行うと血流が良くなり、筋肉の柔軟性が高まるため、患部の痛みの解消につながります。膝痛におすすめのストレッチ部位は、次の箇所です。
- 膝裏
- 太ももの前
- 太ももの裏
これらの筋肉をほぐすことで、患部の痛みはマシになるでしょう。反対に膝裏や太ももが硬いと、膝の動作がスムーズにできないため、痛みが増す可能性があります。
そのため、ストレッチは毎日行いましょう。とくにお風呂上がりのストレッチはおすすめです。お風呂上がりは血行が良くなっているため、ストレッチを行うことで、血流がスムーズに循環します。
改善しない場合は病院を受診する
「アイシングやストレッチを行っても膝痛が治らない」と悩まれている方もいるでしょう。そのような場合には、病院を受診してください。アイシングやストレッチは、あくまで膝痛の対処法に過ぎず、万全の策ではありません。
膝痛を解消するベストな手段は、病院で医師に診察してもらうことです。中には痛みを我慢してしまう方もいますが、少しの痛みでも半月板が損傷しているなど、大きい怪我をしている可能性もあります。そのため膝の痛みには、大袈裟なくらいがベストです。
手術が必要な場合もある
本記事で紹介した病気や怪我で、手術が必要なケースが多い症状は、次のとおりです。
- 変形性膝関節症
- 半月板の損傷
- 関節リウマチ
- 膝靭帯損傷
これらの症状は、決して強い痛みを伴うわけではありません。激しい運動を行っても、気にならないほどの痛みしか感じない可能性もあります。
しかしどの症状も、今後の人生を左右する病気や怪我です。そのため、膝の痛みを抱えている方は、念の為にも医師に診察してもらってください。
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費用 | 初診:3,300円 MRI検査:8,000円~12,000円 |
拠点数 | 14拠点 |
診療時間 | 9:00~18:00 |
支払い方法 | 現金、クレジットカード、デビットカード |
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膝の痛みを感じた場合は何科?

膝の痛みを感じた場合には、整形外科を受診するのが基本ですが、内科で診察を受ける方もいます。膝痛には、整形外科と内科のどちらに行けばいいのか見ていきましょう。
整形外科
整形外科とは、手術で患部を治すことを目的とした医療機関です。整形外科の診察内容を次の表にまとめたため、参考にしてください。
診察内容 | 手術やストレッチ、筋力強化などで治療を行う |
診察箇所 | ・内蔵 ・神経 ・骨 ・関節 ・皮膚 ・歯な |
膝に痛みを抱えている方は、基本的に整形外科を受診してください。
内科
内科とは、薬を使って患部を治すことを目的とした医療機関です。内科の診察内容を次の表にまとめたため、参考にしてください。
診察内容 | 薬による治療がメイン |
診察箇所 | ・内蔵 ・血液 ・神経 |
膝の痛みに関しては、基本的に整形外科を受診するのが無難です。内科でも診てもらえる可能性はありますが、関節の痛みなどに関しては整形外科のほうが詳しいです。
病院に行く時の注意点

病院に行く前におさえるべきポイントは、次の3つです。
- 症状を正確に伝える
- 痛みの原因を特定する
- 治療についてしっかりと医師と話す
上記のポイントをおさえずに病院に行くと、自身が抱えている膝の痛みに対して、医師は最適な提案をできない可能性があります。病院に行く前におさえるべきポイントを見ていきましょう。
症状を正確に伝える
症状は可能な限り正確に伝えましょう。たとえば、膝の痛みでも、次のような種類があります。
- じんわり痛む
- ズキズキ痛む
医師は、患部だけで原因を特定するのではなく、痛みの種類なども参考にします。そのため、「どの位置が痛いのか」「どのように痛いのか」などを正確に伝えましょう。より正確に症状を伝えることで、医師は原因を特定しやすくなります。
痛みの原因を特定する
医師と相談する前には、可能な限り痛みの原因を特定しましょう。具体的には、「何をすれば痛むか」を探ってください。膝が痛む動作でよくあるケースは、次のとおりです。
- 膝を曲げ伸ばしした際
- 歩いた際
- 階段を昇り降りした際
- 足を上げた際
上記の行動をとった際に膝に痛みを感じる方は、多いのではないでしょうか。上記を参考にして、膝が痛む行動をできる限り詳細に把握しておきましょう。そうすることで、医師はスムーズに原因の特定を行えるでしょう。
治療についてしっかりと医師と話す
一口に怪我の治療といっても、内容は多岐にわたります。たとえば、半月板損傷の治療では、主に次の手段を取ります。
- 保存療法
- 半月板切除
- 半月板縫合
治療ごとにメリットがあればリスクもあります。たとえば半月板を切除すると、膝の痛みは比較的スムーズに解消しますが、年を重ねるにつれ歩行が困難になる恐れがあります。一方で半月板の縫合では、歩行が困難になるケースは比較的少ないですが、再発のリスクを負います。
以上のように治療ごとにメリットがあれば、リスクもあります。治療後のスケジュールやリアビリに要する期間、メリットやリスクなどを、事細かく確認してください。万が一、医師が治療に関することを詳しく教えてくれない場合には、その病院で治療を受けるのは控えてください。
目先の利益だけを考えて、自身の今後の人生を考えていない可能性があります。
膝の負担を減らす方法

膝の負担を減らす方法は、次の4つです。
- 太り過ぎない
- 日常的に体操・ストレッチをする
- 太もも・膝の筋肉を鍛える
- 関節機能維持に必要な栄養をとる
膝に痛みを抱えている方は、上記の方法を取り入れて、患部への負担を軽減するよう心がけましょう。可能であれば、すべてのポイントを取り入れるのがおすすめです。膝の負担を減らす方法を見ていきましょう。
太り過ぎない
膝に痛みを抱えている方が最も注意すべきポイントは、「太り過ぎないこと」といっても過言ではありません。なぜなら、人は歩行するだけでも、瞬間的に膝に体重の3倍もの負担がかかるからです。
日本人の40歳の平均体重は男性で71.1kg、女性で55.8kgです。男性は歩行するだけで、瞬間的ではあるものの、膝に約200kgの負担がかかります。女性であれば、約150kgです。
参考:政府統計の総合窓口
つまり、体重が1kg増えるだけで、歩行時の膝への負担が3kgも増えます。当然、階段の上り下りやジャンプなどの動作は、より膝に負担がかかります。
また、歩行などの膝に負担のかかる動作は、生活していくうえで繰り返し行われます。体重1kgの差でも、膝にかかる負担はトータルで大きく異なります。
1日1,000歩移動する方であれば、体重が1kg増えるだけでも、膝への負担が3,000kgほど増します。そのため、太り過ぎないように注意しましょう。ベストは、今よりも痩せることです。
日常的に体操・ストレッチをする
日常的に体操やストレッチをするのは、怪我を防止するためにも大切です。とくに、太もものストレッチは欠かさないでください。理由は、筋肉の性質にあります。使った筋肉は、ストレッチなどでケアせずに放置すると、柔軟性が失われます。
太ももの筋肉は膝への負担を減らす役割を補っていますが、柔軟性が失われた太ももの筋肉では、膝への負荷を軽減するのが難しくなります。
また、太ももからお尻の筋肉をケアせずにいると、腰に負担がかかります。柔軟性が失われた筋肉は、「縮んで骨を引っ張る」という性質もあります。骨が引っ張られると、筋肉をスムーズに動かせなくなってしまい、体に負担がかかります。
筋肉のケアを怠ったことによる症状の1つに、「椎間板ヘルニア」があります。椎間板ヘルニアは、半月板損傷と同様に、一度発症すると元には戻りません。手術や保存療法で痛みを軽減できますが、元の椎間板の形には戻らないです。
ストレッチを怠っていると、膝が痛くなったり、腰に負担がかかったりします。ストレッチは地味な運動のため、面倒と感じて行わない方もいますが、毎日欠かさず取り組みましょう。

太もも・膝の筋肉を鍛える
膝の痛みを軽減するには、膝周りの筋肉、つまり太ももを鍛えるのがおすすめです。太ももには、次のような筋群があります。
- 大腿四頭筋:太ももの前側の筋肉
- ハムストリング:太ももの裏側の筋肉
中でも、大腿四頭筋は必ず鍛えてください。太ももの前側の筋肉は、膝の負担を軽減するための大きな役割を補っているからです。大腿四頭筋は、いわば膝のサポーターです。大きな怪我をしたことのある方は、サポーターの大切さは身に染みてわかるでしょう。
しかし、「膝を痛めているから太ももの筋肉なんか鍛えられない」と思われる方もいるはずです。そのような方には、「パテラセッティング」がおすすめです。
パテラセッティングは、膝に負担を与えずに大腿四頭筋を鍛えられるため、多くの病院でも膝のリバビリに取り入れられています。手順は、次のとおりです。
- 床に足を伸ばして座る
- 鍛えるほうの膝の下に、丸めたバスタオルを敷く
- バスタオルを床面に向かって膝で押し付ける
- 10回✖︎3セット行う
- 完了
パテラセッティングに慣れてきて強度がもっと欲しい方は、バスタオルではなくゴムボールを膝下に敷いてください。バスタオルよりも強度が高いため、より効果的な筋トレを行えます。
関節機能維持に必要な栄養をとる
膝を痛めているご年配の方は、関節機能維持に必要な栄養をとるのがおすすめです。年を重ねると、関節がもろくなったり骨密度が下がってきたりするため、外部から栄養を摂取して体を作る努力が求められます。
そのため、次のような栄養を、日頃から摂取するように心がけてください。
- N-アセチルグルコサミン
- Ⅱ型コラーゲン
- 大豆イソフラボン
- β‐クリプトキサンチン
これら栄養は共通して、関節がもろくなったり骨密度が下がったりするのを防げる効果があります。近年では薬局でも、上記のような成分が含まれている栄養剤は購入できるため、お時間のある際にでも確認してください。
膝の痛みに関するよくある質問

膝の痛みに関するよくある質問は、次の4つです。
- 膝の痛みを放置するとどうなる?
- 膝の痛みは整骨院でも治る?
- 膝の痛みに効く市販薬はある?
- 膝の痛みで受診した場合医療費はいくらかかる?
質問に対する回答を見ていきましょう。
膝の痛みを放置するとどうなる?
膝の痛みの原因はさまざまで、中でも「変形性膝関節症」が多いことはご理解いただけたはずです。変形膝関節症は、軟骨がすり減って膝関節が変形する病気です。放置する期間が長いほど、膝関節は変形します。
変形膝関節症は自身の生活に大きく影響してくる病気ですが、初期段階では症状に気づきにくい特徴があります。
初期の段階では、「膝は痛いけど運動できる」と日常生活では気にならない方もいます。症状の度合いによっては、放置しているだけで痛みが消えるケースもあります。しかし痛みは消えても、膝の軟骨はすり減っていく一方です。
変形膝関節症は早期に対処しないと、最悪、人工関節を使わないと歩けなくなる恐れがあります。人工関節は通常の歩行は可能ですが、走るなどの強度が高い運動は行えません。体を動かすのが好きな方からすると、走れないのは苦痛でしかありません。
変形膝関節症の方でも、早期の段階で病院に受診すると、最悪の事態を防げる可能性があります。そのため、軽度の膝の痛みであっても、まずは整形外科で診察してもらってください。
膝の痛みは整骨院でも治る?
整骨院では、膝痛を予防するストレッチやトレーニングなどを行なっているため、膝の痛みを軽減してもらえる可能性はあります。しかし、膝痛の症状によっては、整骨院に通ってもほとんど意味がありません。
たとえば、半月板損傷や変形膝関節症は関節や軟骨の損傷による症状です。ストレッチやトレーニングの質を高めても関節や軟骨の損傷は治せず、膝の痛みは軽減できても根本的な症状の解消にはつながりません。
そのため、膝に痛みを抱えている方は、まずは整形外科や内科で自身の症状を把握するようにしてください。
膝の痛みに効く市販薬はある?
膝の痛みに効く市販薬は、豊富にあります。中でも人気なのは、次の市販薬です。
- キューピーコーワ コンドロイザーα
- バンテリンコーワ液α
- コンドロイチンZS錠
- アクテージAN錠
市販薬には、飲んだり塗布して使ったりするものなど、さまざまなタイプがあります。これらは薬局でも購入できますが、Amazonや楽天市場などのネットショップから購入するのがおすすめです。薬局に行っても在庫がなければ、無駄足になります。
膝の痛みで受診した場合医療費はいくらかかる?
膝の痛みを整形外科と内科で受診した場合の医療費は、最低でも次のとおりです。
- 整形外科:2,000円〜
- 内科:2,880円〜
上記の費用は、あくまで診察にかかる最低料金です。MRIの診察が必要になれば、1万円ほどかかります。MRIとは体に電磁波をあてて断層撮影を行う方法です。レントゲンでは判断できない半月板や軟骨の状態を鮮明に確認できるため、膝に痛みを抱えている方はMRIを撮る可能性があります。
膝の診察と一口にいっても、内容によっては高額になるため、お金は余分に持っていきましょう。
まとめ

膝に突然痛みを感じたときに考えられる原因には、「膝の酷使」や「軟骨のすり減り」などがあります。
膝に痛みを抱えている方は、まずは整形外科を受診してください。軽度の痛みであっても、膝に大きな爆弾を抱えている可能性があります。放置していると、最悪人工関節を使わないと歩行できなくなる恐れがあります。
また、常日頃から、太もものストレッチや筋トレを行なって膝痛を予防しましょう。体重が多い方は、痩せるように努めてください。体重が1kg違うだけでも、膝への負担は大きく異なります。
ぜひ本記事を参考にして、1日でも早く膝痛を解消してください。
※本記事の情報は2022年9月時点のものです。
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