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膝に水が溜まるとどうなる?原因となりやすい怪我・病気や病院を受診する目安を簡単解説!

膝に違和感があるときに「もしかして膝に水が溜まってしまったのでは」と不安になる方もいるでしょう。膝に水が溜まる現象はよく聞くものの、なぜ水が溜まるのか、いったいどうなってしまうのかまでは当事者にならないとなかなかわからないものです。

膝に違和感を覚えたら、整形外科の受診を検討しましょう。膝の水を抜くことは不安や恐怖が大きいですが、メリットも多くあります。

本記事では、膝に水が溜まる原因やなりやすい怪我・病気にあわせて、病院を受診する目安を解説します。膝に悩みを抱える方はぜひ参考にしてください。

目次

膝に溜まる「水」とは?

膝に溜まる「水」とはどのようなものでしょうか。「水」の正体について解説します。

関節液という液体

膝に溜まる水の正体は「関節液」と呼ばれる液体です。

関節包と呼ばれる袋に覆われた膝関節の内部では、骨と骨のつなぎ目である関節をスムーズに動かす工夫が施されています。なかでも「関節液」は関節の動きをサポートし、軟骨組織に栄養を届ける役割をもつ大切な存在です。機械の歯車を効率よく潤滑するための油に似たはたらきをします。

関節液は正常な膝関節にも存在する、粘り気をもった液体です。しかし、膝関節内に炎症が生じると関節液が異常に増加し、結果として膝に水が溜まります。一般的な関節液の量は1~3ml程度ですが、関節液が過剰分泌されると20~30mlにまで増えるのです。

膝に水が溜まると関節液本来の機能は失われ、粘り気のある液体からサラサラした液体に変化します。関節液は、炎症が続いている間は関節包の中に溜まり続け、炎症が静まると自然と少なくなる仕組みです。

膝に水が溜まるとどうなるか

関節に水が溜まる現象は「関節水腫」または「関節水症」と呼ばれます。では関節水腫や関節水症になるとどのような症状があらわれるのでしょうか。

痛みが出る

膝に水が溜まりはじめると痛みが出ます。歩き始めや階段の昇り降り、立ち上がるときなどに症状を感じる場合が大半です。

初期のうちは、しばらく身体を動かすうちに自然と痛みが治まります。しかし症状が進むにつれ、日常生活の中で痛みを感じる頻度が徐々に増えていきます。

少し休めば治っていた痛みがなかなか消えにくくなる頃が中期です。症状をそのまま放っていた結果、末期になると歩行が困難になることもあります。

膝の痛みは、膝に水が溜まる原因としてもっとも多い症状の一つです。

膝が腫れる

膝の腫れも水が溜まっている症状として挙げられます。

膝に水が溜まると、痛みとともに腫れが見られることが多くあります。膝全体が重苦しく感じ、ときには熱をともなうこともあるほどです。

腫れが見られる場合は関節の内部で問題が生じている、すなわち炎症が起こっている証拠と考えましょう。

関節が曲げづらくなる

膝関節が曲げづらいと感じた場合、膝に水が溜まっている可能性があります。

膝関節を曲げ伸ばしする際に違和感がある場合も、内部で何らかの異常が発生していると考えられます。主な原因は、関節の骨や軟骨など内部の組織がすり減ることです。本来は関節をなめらかに機能させるための組織が損傷すると、正しい膝の動きが妨げられてしまいます。

しゃがみづらい、もしくは正座ができない症状があらわれたときは膝に水がたまっていることを疑いましょう。

重く感じる

心当たりがないのに膝が重く感じる場合も、膝に水が溜まっているサインの一つです。

スポーツや長時間立ちどおしなどの動作で疲労が蓄積すれば、足がだるく重く感じることがあります。しかし、何の心当たりもなく膝のだるさや重苦しさを感じた場合は要注意です。万が一膝に水が溜まっていた場合、膝関節を覆う関節包が引き延ばされることで重く感じやすくなるのです。

中には、膝の周囲に異物があるように感じる方もいます。膝に思い当たるふしのない異常を感じたら、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。

膝に水が溜まる原因

膝に水が溜まると痛みや腫れ、重く感じるなど違和感を覚えることがわかりました。ここからは膝に水が溜まる原因について解説します。

滑膜に炎症が起きている

膝に水が溜まる原因は、滑膜に炎症が起きているためです。

滑膜は膝関節全体を覆う関節包の内側にある膜です。本来の役割は関節液の生成とともに古くなった関節液を回収するはたらきがあります。滑膜で炎症が起こると過剰な関節液が生成され、回収も追いつかなくなります。結果として、膝に水が溜まってしまうのです。

過剰分泌された関節液の中には、炎症を引き起こす物質が含まれます。滑膜の炎症が治まれば膝に溜まった水も自然と少なくなり、感じていた症状も和らぎます。

滑膜の炎症の原因になりやすい怪我・病気

では、なぜ膝関節の内部である滑膜に炎症が起きるのでしょうか。炎症が起こる原因になりやすい怪我や病気について3つ紹介します。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、滑膜の炎症の原因になりやすい代表的な疾患です。長年の負担で膝関節の軟骨がすり減り、膝関節に炎症を起こすことで発症します。高齢者の方に多く見られる病気ではあるものの、損傷の激しい膝関節では若い方に見られる場合もあります。

初期症状にあらわれるのは軽い痛みです。時間が経つにつれて徐々に痛みが増し、膝を曲げ伸ばす動作ができなくなります。これらの症状はすべて滑膜に炎症が起きている証拠です。炎症が起こる過程で、膝に水が溜まる症例が多くあります。末期には骨や膝関節全体の変形を引き起こします。

軟骨は一度すり減ると自然治癒ができません。血管の通っていない軟骨では、損傷を治すための細胞や栄養が存在しないためです。

変形性膝関節症を治すためには症状を緩和させる治療はもちろん、膝の負担を減らす工夫や膝を支える筋肉を鍛えるなど、進行の防止が欠かせません。

半月板損傷

半月板損傷は、膝の軟骨組織である半月板が損傷する疾患です。半月板には膝を安定させ、なめらかな動きを手助けするはたらきがあります。半月板が損傷するもっとも多い要因は、膝に大きな衝撃や負担がかかるバスケットボールやラグビー、バレーボールのようなスポーツです。

たとえばジャンプの着地や急なターンなどで膝をひねると、膝に対して強い衝撃が伝わります。半月板が衝撃に耐えられずに損傷する状態が半月板損傷です。

しかし、半月板損傷の要因はスポーツのみではなく、加齢により引き起こされる場合もあります。半月板は年齢を重ねるにつれて変性し、本来の膝を安定させる機能が衰えるためです。階段の昇り降りや歩行中など、日常生活の中での損傷もあり得ます。

半月板損傷は治療を受けなくても痛みが治まる場合があります。そのまま気づかずに放置すると、後に変形性膝関節症へ発展するケースもあるため注意が必要です。

関節リウマチ

関節リウマチは自己免疫疾患の一つです。細菌やウイルスなどの異物を排除するための免疫がうまく機能せず、正常なはたらきをしていた滑膜まで攻撃し、痛みや腫れ、変形などの症状が生じます

関節リウマチは膝のみではなく、手や足、肩などの関節でも同時に症状が発症しやすい疾患です。症状が強い期間とまったくない期間があるため、診断が遅れる場合があります。

現在、関節リウマチになる原因は明確になっていません。しかし、喫煙習慣や歯周病などの環境的な要因や、遺伝によるものと示唆されています。

これらに思い当たるふしがあり、歩き出すときに膝がこわばって動かせないことや思うように立ち上がれないなどの症状があらわれた場合は、関節リウマチを疑いましょう。

病院を受診したほうがいい目安

膝に水が溜まる症状は、自身の目で見てはっきりと確認できるものではありません。では、どのようなときに病院を受診したほうがいいのでしょうか。

痛み・腫れが強い

膝の痛みや腫れが強い場合は、病院を受診しましょう。

受診をする際は、いつからどのように痛みや腫れの症状があらわれ始めたのか可能なかぎり詳しく伝えることが重要です。問診もレントゲンやMRIなどの検査と同じように判断材料となるためです。

痛みや腫れを我慢したまま膝をかばうような動作が続くと他の部位に負担がかかり、さらなる健康被害が起こる可能性もあります。なるべく初期症状のうちに整形外科を受診しましょう。

日常生活に支障がある

日常生活に支障がある場合は病院を受診しましょう。

膝は歩いたり座ったりと日常的に重要な役割を果たす部位です。根本的な原因を特定し治療を受けなければ、将来歩行が困難になる場合も考えられます。

「加齢が原因だから」「歩けないほどではない」と放っておくと、症状が深刻化する可能性があります。日常生活を送れないほどの症状がある場合は、すみやかに病院を受診しましょう。

一時的に症状は治るが慢性的に違和感がある

一時的に症状が治るものの慢性的に違和感がある場合は、病院を受診しましょう。

症状が一時的に落ち着く場合は「少し安静にしていれば治るから」と我慢しがちです。しかし、何度も同じ症状があらわれたり違和感が続いたりするようであれば、膝の内部で炎症が繰り返されている可能性があります。

痛みを放置し続けていては、一向に改善されません。受診をする際は、症状があるときの様子をしっかりと医師に伝えられるよう、事前にまとめておくことをおすすめします。

スポーツや事故などきっかけや原因がはっきりしている

膝に症状が出ている原因が「スポーツや事故によるものである」とはっきりしている場合は、早急に病院を受診しましょう。

スポーツや事故がきっかけで膝に痛みや腫れなどの症状があらわれた場合、半月板が損傷している可能性が大いに考えられます。場合によっては外科的手術を要するケースもあるため、無理は禁物です。

明らかな原因がある場合は、すみやかに病院で適切な処置を受けるようにしましょう。

【ランキング】膝に違和感を感じたらクリニックを受診しよう

ここでは膝に違和感を感じた際におすすめな専門クリニックを紹介します。無料で相談可能なクリニックがあるため、痛みは我慢せず、専門医に相談してみてください。

1位:ひざ関節症クリニック

「膝が痛むけど大掛かりな手術は避けたい」「人工関節しか選択肢はないのだろうか」と悩む方は、ひざ関節症クリニックに相談してみましょう。

膝に特化した専門治療で、切らずに大幅な痛み軽減が期待できます。

全国14拠点で提供するのは、自己組織を利用して回復を促す「培養幹細胞治療。国内の厳しい安全基準に準じた最先端医療で、ひざ関節症クリニックによる症例数は7,500以上と豊富です。

入院不要、完全予約制で待ち時間もないため、膝の痛みに悩む方は気軽にカウンセリングを受けてみてください。

施術内容ヒアルロン酸注射、PRP-FD注射、培養幹細胞注射、APS再生治療
費用初診:3,300円
MRI検査:8,000円~12,000円
拠点数14拠点
診療時間9:00~18:00
支払い方法現金、クレジットカード、デビットカード
料金は税込表示です

2位:シン・整形外科(旧東京ひざクリニック)

は膝の痛み解決に特化した、再生医療を提供する治療院です。「膝に水が溜まっているのかもしれない」「膝を切開するような手術は避けたい」とお悩みの方は、気軽に無料相談してみましょう。

の診察では、現在抱える膝のお悩みを丁寧にヒアリングし、MRI診断を活用しながら原因を探ります。

従来の膝治療とは一線を画し、自身の血液や細胞を活用する「PRP-FD治療」「幹細胞培養治療」などの新治療で、手術をせずに痛みの根本解決を目指せるのは大きなメリットです。

受診予約は24時間受け付けており、土日の柔軟なスケジュール調整も可能なため、膝の痛みを取り除きたい方はシン・整形外科(旧東京ひざクリニック)をチェックしてみてください。

膝の水の抜き方と抜くメリット

膝に溜まった水はいったいどのように抜くのでしょうか。また、水を抜くことのメリットについてもあわせて紹介します。

膝の水は注射で抜く

膝に溜まった水は注射で抜きます。大がかりな手術とは異なり、膝関節の内部に注射針を挿入して貯まった水を採取するため、施術時間自体は数十秒程度です。

治療を兼ねて水を抜くのと同時に、ヒアルロン酸を注入する場合もあります。採取から注入までの一連の診療行為を「関節穿刺」と呼びます。

膝の水を抜くための入院は必要ありません。しかし、関節は感染に対して抵抗力が弱い性質があるため、処置当日の入浴は控えましょう。

なぜ抜いたほうがいいのか

「膝の水を抜くと癖になり、溜まりやすくなるのでは」と考えるのは間違いです。ここからは、膝に溜まった水を抜くメリットを3つ紹介します。

抜いた水の状態で原因が分かる

膝に溜まった水を抜くメリットの1つとして、抜いた水の色や状態を見ることで原因が特定できる点が挙げられます。

膝に水が溜まる原因は一人一人異なります。原因を特定せずにそのまま放置を続けると、事態は改善するどころか悪化しかねません。膝の水を採取し「どうして水が溜まっているのか、炎症が起きているのか」を突き止めることで、原因に適した治療が受けられます

正常な関節液は、粘り気のある黄色がかった透明の色です。黄色が濃くサラサラになるにつれ、変形性膝関節症の疑いが高まります。

褐色や赤色をした関節液の場合は、半月板損傷や骨折、靱帯断裂などの外傷による内出血が原因であるケースも多いです。また、白濁した関節液は感染症や通風が考えられます。

関節液の色や状態によって原因をある程度特定できるため、後の治療計画を立てられるメリットがあることを念頭に置いておきましょう。

早期に抜くことで悪化を防ぐ

膝に溜まった水は早期に抜くことで悪化を防げます。

万が一、膝に水が溜まっていると感じる症状があるにも関わらず放置を続けると、日常生活に困難をきたすことが大いに考えられます。膝に溜まる関節液の成分には炎症を引き起こす物質が含まれるため、炎症を長引かせたり悪化させたりする原因になり得るのです。

また炎症を放置すると、知らず知らずのうちに膝をかばうことで他の部位へ負担がかかり、弊害を及ぼす可能性もあります。必要以上に膝の水が溜まっている場合は、ただちに水を抜いてもらうことを検討しましょう。

症状が改善する

膝にあらわれていた症状が改善する点も、膝の水を抜くメリットです。

関節液を抜くと、膝の痛みや腫れ、だるさや違和感のような症状が緩和されます。しかし、膝に水が溜まる現象には、何らかの原因があることを忘れてはいけません。

膝の水を抜くことで症状が改善したとしても、一時的な効果に終わってしまう場合もあります。膝の水を抜いた後も適切な治療を受けることが必要です。

膝の水を抜くと、ある程度の症状は緩和されます。しかし、内部に起こっている炎症がおさまらない限り、完治といえない点はしっかりと覚えておきましょう。

膝に水を溜めないための対策

膝に水を溜めないためにはどのようにすればよいでしょうか。日常生活でできる予防法も含めた4つの対策を紹介します。

体重管理をする

膝に水を溜めないためにできる対策の1つとして、体重管理が挙げられます。

膝にかかる負担は、歩行時で体重の3倍、階段の昇り降りで6倍程度です。体重が重いほど膝にかかる負担も比例して大きくなります。体重が1kg増えるごとに膝への負担も3kg増えるといわれるほどです。

万が一適正体重を上回っているようであれば、食生活や運動習慣の見直しからはじめましょう。膝へ必要以上の負担をかけないためには、体重管理を心がけることが大前提です。

膝を酷使しすぎない

膝を酷使しすぎないことも、膝に水を溜めないための対策の1つです。

年齢に関係なく、スポーツで膝を酷使しすぎると膝関節の組織に損傷が生じる可能性があります。スポーツをおこなった後は、酷使した部位を冷やすようにしましょう。患部を冷やす「アイシング」には疲労回復や怪我予防の効果があります

また、日常生活の中で無意識に膝に負担をかける習慣がある方も要注意です。たとえば、正座や女の子座りと呼ばれる膝関節を極度に曲げる動作は、膝関節のストレスが溜まりやすくなります。

日常生活の中で膝に負担をかける動作はなるべく避けることが重要です。

膝のストレッチを行う

膝のストレッチは、膝に水が溜まるのを予防します。関節の柔軟性向上や、膝の負担軽減に効果的です。

ただし、激しいスポーツやストレッチではかえって負担になる場合があります。伸びきるイメージでゆっくりとストレッチをおこなうことが重要です。

ストレッチはちょっとした合間でもできる手軽さが魅力です。立ち上がったときや家事をしているときなどでも同時におこなえます。忙しい方やなかなか時間が取れない方でも、隙間時間で少しずつ取り入れる工夫をしてみましょう。

違和感を感じたら整形外科へ行く

膝に違和感がある場合は整形外科を受診しましょう。

膝に起こりうる病気の1つである変形性膝関節症の初期症状では、痛みよりも違和感を覚えます。膝への負荷を減らせばある程度の違和感もおさまるため、そのまま様子を見る方が多い時期です。

しかし、症状は知らず知らずのうちに進行します。専門家の意見を聞かずに自己判断で済ませると、後に大がかりな手術を受けることになりかねません。

これまでにない膝の違和感が1週間以上続く場合は、一度整形外科で膝関節の状態を診てもらいましょう。

膝の水に関するよくある質問

膝の水に関するよくある質問を5点まとめました。膝の不安を少しでも取り除くために、目を通しておきましょう。

膝の水が自然に抜けることはある?

膝の水が溜まったまま放置して自然に抜けることは基本的にありません。

膝の水は、関節内の炎症が治まるとともに減少していくケースが多くあります。膝関節内部で起きていた炎症が落ち着くにつれて、関節液は分泌と吸収のバランスを取り戻しはじめるためです。ただし、炎症を落ち着かせるには、治療を要するケースが大半です。

膝の水を抜かずに放置すると、炎症を長引かせたり悪化させたりする要因になります。まずは炎症をおさえることを念頭に置いて治療に励みましょう。

軟骨はサプリメントでケアできる?

軟骨はサプリメントでケアできるとは言い切れません。

膝関節と聞くと、グルコサミンやコンドロイチンのようなサプリメントを想像する方も多いでしょう。どちらの成分も膝関節の健康に欠かせない成分であることには間違いありません。

しかし、経口摂取であるサプリメントは胃や腸で分解されることが想定されます。たとえ成分が分解されなかった場合でも、血流の乏しい軟骨では効果を実感できる可能性は低いです。

軟骨のケアはサプリメントに頼りすぎず、膝に負担をかけない日常生活の心がけからはじめることをおすすめします。

水を抜いたら痛みは治る?

膝の水を抜くと、ある程度の痛みや腫れ、だるさや違和感は改善されます。しかし、痛みが治らない場合は、炎症がおさまっていない可能性が考えられます。

痛みや腫れなどの根本的な原因は、膝の水ではなく関節内の炎症です。炎症が続いている場合は、再度水が溜まり症状もあらわれます。

また、痛みが引かなかった場合に考えられるもう一つの原因は感染症です。処置の際に体外の細菌に感染した可能性が考えられます。針を刺した位置が何時間経っても痛かったり、熱や腫れを帯びたりした場合は再度病院を受診しましょう。

水を抜いてもまた溜まることはある?

膝の水を抜いてもまた溜まることはあります。

膝関節の内部で起きている炎症が治まらないかぎり、何度抜いても水は溜まり続けます。中には「水を抜くから癖になって何度も溜まるのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、原因は炎症が治まらないことであり、注射で水を抜くこと自体には問題ありません。

膝の水が再度溜まるのを防ぐには、根本的な原因である膝関節の内部で起きている炎症へのアプローチが最重要です。

手術になるケースもある?

重症化してしまった場合は手術になるケースも考えられます。

たとえば変形性膝関節症が原因で膝に水が溜まっている場合、初期では膝の水を抜く関節穿刺や薬物治療などの処置で症状を緩和できます。

しかし症状が進行し末期になると、関節が変形し日常生活に支障をきたすようになります。末期の症状があらわれた際は、関節穿刺や薬物治療のみで効果を得ることは極めて難しいです。

末期の変形性膝関節症では、人工関節の手術も視野に入れなくてはなりません。しかし、人工関節の手術には血栓症や神経麻痺などのリスクが伴います。また、将来入れ替えのための再手術も必要であるため、身体への負担が大きいのも難点です。

手術を避けるためには、膝に少しでも異変を感じたら整形外科に相談するようにしましょう。

まとめ 

高齢化が進む日本において、人口の約10%が膝に何らかの症状を抱えているといわれています。膝の痛みや腫れ、だるさ、違和感などの症状が見られた場合は、膝に水が溜まっている可能性が考えられます。

注射で膝の水を抜く医療行為は不安や恐怖が付きまとうため、多くの方が躊躇いがちです。しかし、膝の水を抜くことにはメリットの方が多くあることを念頭に置いておきましょう。

年齢や性別に関係なく、膝に水が溜まる可能性は誰にでもあります。膝に違和感を持った場合は、重症化を避けるためにも早いうちに整形外科の受診をおすすめします。

※本記事の情報は2022年11月時点のものです。
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