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つみたてNISAのメリット・デメリットを徹底解説!おすすめな方も紹介

つみたてNISAは、貯蓄のみでの資産形成が困難な時代において、投資初心者でも挑戦しやすく、少額から投資がはじめられる制度です。

つみたてNISAの話についてよく聞くけど、実際にどのようなメリットやデメリットがあるのか気になる方は多いでしょう。

特徴を理解しないままはじめてしまうと、予想外のリスクや自身の投資スタイルと異なる場合などが起きてしまいます。

本記事では、つみたてNISAのメリットやデメリット、活用する際の注意点について解説します。

つみたてNISAの加入条件や一般NISAとの併用ができるのかどうかについても触れるため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

つみたてNISAとは

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つみたてNISAがどのような投資制度なのかについて解説します。

いつから開始したのか、つみたてNISAの仕組み、一般NISAと異なる点まで解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

2018年に開始した少額投資非課税制度

つみたてNISAは、2018年の1月から開始された個人向けの少額投資非課税制度です。

口座開設の年の1月1日時点で日本国内に在住する満18歳以上の方を対象としており、年齢に関する上限はありません。

通常であれば、投資で得た配当金や分配金などの利益には20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAを利用すると分配金と譲渡益に対して税金が発生しません。

たとえば、投資した50万円に対して5万円の利益が発生すると、通常は10,158円の税金がかかり、手取りは3万9,842円です。

しかし、つみたてNISAであれば税金がかからず5万円が満額手元に残ります。

つみたてNISAは税金による支払いを抑えたい方や投資初心者におすすめの制度といえるでしょう。

つみたてNISAの仕組み

つみたてNISAは、積立投資専用の非課税制度です。

積立投資とは、投資用のNISA口座より毎月や毎週の決まったタイミングに金額の引き落としや買付をおこなう投資方法になります。

つみたてNISAは、毎月3.3万円と年間40万円を上限に投資できます。

つみたてNISAが非課税となるのは、NISA口座をとおして購入する金融商品となるため、覚えておきましょう。

また、非課税期間は最長で20年間と定められており、非課税期間の終了時期は投資をはじめた年から20年目の年末までとなります。

仮に、毎年満額の40万円を投資すると非課税投資できる最大金額は800万円です。

自身の経済状況を考慮し、無理をしない程度に投資をしてみてください。

一般NISAとの異なる点

つみたてNISAと一般NISAは、主に非課税枠と非課税期間が異なります。

つみたてNISAの場合は、非課税枠が年間40万円となりますが、非課税期間が20年間です。

一方一般NISAの場合は、非課税枠が年間120万円であり、非課税期間が最大で5年間となります。

一般NISAは上場株式や公募株式投信などが対象商品となるため、幅広い商品から選びたい方や株式の購入がしたいと考えている方におすすめです。

つみたてNISAは、専用の投資信託を毎月一定の金額積み立てるため、コツコツと資産を増やしていきたい方のように長期での利用に向いているといえるでしょう。

つみたてNISAのメリット

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つみたてNISAのメリットは、次のとおりです。

  • ・投資初心者でもはじめやすい
  • ・少額から投資をはじめられる
  • ・好みのタイミングで解約可能
  • ・20年間は利益が非課税

それぞれ詳しく解説します。

投資初心者でもはじめやすい

つみたてNISAのメリットとして、投資初心者でもはじめやすいことが挙げられます。

つみたてNISAの対象金融商品は、金融庁が長期の積立と分散投資にさいてと判断した投資信託のみです。

原則として販売手数料が無料であるほか、信託報酬も一定水準以下であるなど、はじめての投資で不安な方も安心して投資できます。

つみたてNISAは、NISA専用の口座を開設する必要がありますが、各金融機関で開設する場合18歳以上が条件となります。

年齢の上限については定められていないため、18歳以上の方はぜひつみたてNISAをはじめてみてください。

少額から投資をはじめられる

少額から投資をはじめられる点もつみたてNISAの大きなメリットの一つです。

つみたてNISAは、100円や1,000円、1万円など、少額の積立額ではじめられます。

たとえば、マネックス証券でつみたてNISAを利用する場合、積立額を100円以上1円単位で設定できます。

積立額に関しては、開設する証券口座により異なるため、事前に確認しておきましょう。

一般的な投資のようにまとまった金額を投資へ費やすことに抵抗がある方や、毎月の負担にならないか不安な方にもおすすめです。

少額投資が可能なNISAであるため、無理のない金額ではじめて、慣れてきたら徐々にかける金額を増やすとよいでしょう。

好みのタイミングで解約可能

つみたてNISAは、好みのタイミングで解約できる点が非常に魅力的です。

つみたてNISAは、すぐにお金が必要な場合や状況に応じて好みのタイミングで解約ができます。

同じ積立投資のiDeCoの場合、積み立ててから原則として60歳までの解約ができず、好みのタイミングでの引き出しができません。

そのためつみたてNISAは、老後の資金形成がしたい方や子どもの将来のために積み立てたいなど、自身のニーズや目的にあわせて自由に投資できます。

つみたてNISAをはじめる場合は、将来的にどのくらいの金額を積み立てたいのか目標を明確にし、中長期的な資産計画を立てるとよいです。

20年間は利益が非課税

つみたてNISAの最大のメリットは、20年間は利益が非課税になる点です。

通常の投資では、投資での利益に対して20.315%の税金が発生します。

つみたてNISAは年間40万円を上限として、投資しはじめた年から最長20年間は利益に対して税金がかかりません。

そのため、本来差し引かれる税金分が自身のしたいことに回せるため非常に魅力的です。

また、分配金に関しては現金受け取りか、分配金をもとに投資信託を追加購入(分配金再投資)するか選べます。

非課税投資枠が残っている場合は、再投資も含まれますが、複利効果にも期待できるため、より高い運用効果にも期待できるでしょう。

つみたてNISAのデメリット

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つみたてNISAは非課税で運用できるため、非常に魅力的ですがデメリットも一部存在します。

つみたてNISAを運用するデメリットは、次のとおりです。

  • ・投資対象が限られている
  • ・一括投資はできない
  • ・非課税投資枠が少ない

それぞれ詳しく解説します。

投資対象が限られている

つみたてNISAのデメリットとして、投資対象が限られていることが挙げられます。

つみたてNISAで購入できる金融商品は、金融庁が設けた厳しい条件を満たした投資信託やETFのみです。

つみたてNISAの対象商品の例は、次のとおりです。

  • ・auスマート・ベーシック(安定)
  • ・PayPay投資信託インデックス アメリカ株式
  • ・野村インデックスファンド・JPX 日経400
  • ・SMBC・DCインデックスファンド(S&P500) 

そのほかにも、さまざまな金融商品があるため、対象商品が気になる方は金融庁の公式サイトより確認してみてください。

つみたてNISAでは対象商品が少ないため、自由に投資を楽しみたい方は上場株式やETF、REITなど幅広い投資商品を扱う一般NISAがおすすめです。

一括投資はできない

つみたてNISAは、一括投資ができない点もデメリットの一つです。

つみたてNISAは、毎月同じ額を自身が選んだ金融商品を購入し運用するスタイルであるため、自身の好みのタイミングでの一括投資ができません。

ただし、毎月決まったタイミングで自動的に投資信託を買い付けるため、手間がかからないうえに自身で投資の判断をする必要がない点は非常に魅力的です。

つみたてNISAは、毎月一定の金額で投資信託を買い付け、価格が高騰した際に購入数が減少し、価格が下落した場合に購入量が増加するドル・コスト平均法を採用しています。

ドル・コスト平均法は、全体の平均購入単価を平準化する効果があり、老後の資産を形成するような長期的な投資をする際に有用です。

非課税投資枠が少ない

非課税投資枠が少ない点もつみたてNISAのデメリットとして挙げられます。

つみたてNISAの非課税投資枠は40万円です。

一般NISAの非課税投資枠が120万円あることと比較すると、少ないと感じる方は多いでしょう。

しかし、つみたてNISAの非課税運用期間は20年と長く、満額かけると20年間で最大800万円を非課税で運用できます。

一方で一般NISAの場合は非課税運用期間が5年と短く、仮に5年間満額運用した場合も、600万円が非課税で運用可能です。

つみたてNISAは長期で運用すると一般NISAよりも非課税金額が多くなるため、将来の資金をコツコツと形成したい方におすすめといえるでしょう。

つみたてNISAの注意点・ポイント

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つみたてNISAをおこなう場合は、次の注意点やポイントについて理解しましょう

  • ・元本割れのリスクがある
  • ・長期的に運用する必要がある
  • ・NISA口座は1つのみ所持できる

それぞれ詳しく解説します。

元本割れのリスクがある

つみたてNISAで投資をおこなう場合、元本割れのリスクがある点に注意しましょう。

つみたてNISAの対象投資信託やそのほかの金融商品は、金融庁の厳しい審査をクリアした積立や分散投資に最適な投資信託ですが、元本保証がありません。

元本保証とは、運用期間すべてに対して元本の額が減らないことの保証を指します。

つみたてNISAは長期投資前提ですが、相場の変動や状況によって、投資元本を下回る可能性もあるでしょう。

金融庁の資料によると、資産、地域を分散して積立投資をおこなった場合、投資期間が5年であれば10%〜20%程度の元本割れリスクがあります。

そのため、元本割れするリスクを避けて資産運用がしたいと考えている方はつみたてNISAは向いていないといえるでしょう。

元本割れを避けるためには、長期で値上がりが期待できる投資信託を選び、長期的な目線で運用するとよいです。

長期的に運用する必要がある

つみたてNISAは、長期的に運用すると投資のメリットが得られる制度です。

短期間でハイリターンを狙う場合は、価格が安くなったときに購入し、価格が高騰した時点で売却する投資方法を繰り返します。

ファンドの動きは予測しにくく、とくに投資初心者の方はタイミングを逃してしまい、損をする可能性が非常に高いです。

そのため、投資経験が浅い方はつみたてNISAのように低リスクではじめられる投資がおすすめといえます。

しかしつみたてNISAは、自身の好みのタイミングでの一括投資ができません。

短期間で大きな資産形成をしたいと考えている方は、長期運用を前提としたつみたてNISAの利用は向いていないといえるでしょう。

NISA口座は1つしか所持できない

つみたてNISAで投資をする際の注意点として、NISA口座は一つのみしか所持できないことが挙げられます。

たとえば、楽天証券でNISA口座を開設した場合は、SBI証券やそのほかの口座でのNISA口座の開設ができません。

NISAには、つみたてNISA以外にも一般NISAとジュニアNISAがありますが、同様に開設可能なNISA口座は一つのみです。

NISA口座が複数あれば非課税枠が増えるのではと考える方もいますが、非課税で投資できる金額が大きくなると、制度が成り立たなくなります。

ただし、一人一つのみNISA口座が開設できるため、夫婦や子どもと一緒につみたてNISAでの運用もおすすめです。

つみたてNISAはこんな方へおすすめ

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つみたてNISAは次のような特徴にあてはまる方におすすめです。

  • ・投資初心者の方
  • ・長期的に運用や投資ができる方
  • ・少額から投資をはじめてみたい方

それぞれ詳しく解説します。

投資初心者の方

つみたてNISAは、投資初心者の方におすすめです。

つみたてNISAの対象となる金融商品は、各種手数料が安く、低リスクで投資ができる長期、積立、分散投資に適した公募株式投資信託とETFのみになります。

また、年間40万円までの投資に対する利益を最長で20年間非課税での運用が可能です。

利益に対して20.315%の税金が発生する通常の投資と比較すると、より効率的に資産を増やせます。

さらに、つみたてNISAでは投資信託を通じて株式や債券などの複数の投資先に分散投資が可能なため、低リスクで安全に資産運用ができます。

つみたてNISAは、投資金額を途中で変更できたり、必要に応じて引き出せたりするため、投資経験の浅い方にとくにおすすめといえるでしょう。

長期的に運用・投資ができる方

つみたてNISAは、長期的に運用や投資ができる方にもおすすめです。

つみたてNISAでは、ドルコスト平均法と呼ばれる商品の値動きに関係なく、毎月一定額を積立投資する方法が採用されています。

ドルコスト平均法で投資をすれば、購入単価が平準化されるため、購入するタイミングに悩む必要がありません。

つみたてNISAは、複数の金融商品に分散投資しリスクも抑えられますが、低コストな分ハイリターンには期待できません。

そのため、つみたてNISAは可能な限り長期間保有して運用残高を増やし、複利効果をうまく利用する方法が最も効率的といえます。

将来の老後資金の形成やまとまったお金を貯めてから購入したいものがあるなど、目的があり長期的に運用や投資ができる方はぜひ利用してみてください。

少額から投資をはじめてみたい方

つみたてNISAは、まとまったお金がなく少額から投資をはじめてみたいと考えている方におすすめです。

つみたてNISAは、金融機関によって最低積立投資金額は異なりますが、主な銀行では100円から投資できるものも存在します。

また、投資信託では基本的に購入時手数料や信託報酬、信託財産留保額など、さまざまなコストが発生します。

つみたてNISAの場合は、金融庁により購入時手数料が無料で信託報酬が一定水準以下の商品が選ばれているため、低コストでの運用が可能です。

家計に心配のある方でもつみたてNISAであれば、好みの金額の投資と引き出しができ、無理のない範囲で資産運用ができるため、少額から投資をしたい方におすすめといえるでしょう。

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つみたてNISAのよくある質問

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つみたてNISAのよくある質問について回答します。

つみたてNISAの加入条件や一般NISAとの併用ができるのか、ロールオーバーができるのかどうかについて解説するため、ぜひ参考にしてみてください

つみたてNISAの加入条件は?

つみたてNISAの加入条件は、日本国内に住む満18歳以上であれば、誰でも加入可能です。

ただし、NISA口座を開設するためには、口座開設する年の1月1日時点で18歳以上を満たす必要があるため、注意しましょう。

たとえば、2024年に新規でNISA口座を開設したい場合は、2024年1月1日の時点で18歳以上である必要があります。

また、NISA口座は一人一つのみになるため、注意しましょう。

一つの金融機関で口座開設すると、別のNISA口座への登録はできなくなるため、利用する金融機関はよく考えて選びましょう。

ただし、金融機関を変更したい場合は変更したい前年10月1日〜変更したい年の9月30日までの間に手続きをすると変更可能です。

金融機関の変更には、勘定廃止通知書か非課税口座廃止通知書のいずれかが必要となるため、覚えておきましょう。

つみたてNISAと一般NISAは併用できる?

つみたてNISAと一般NISAの併用はできません。

NISA口座は一人一つのみとなるため、つみたてNISA用、一般NISA用のように口座を複数開設できない点に注意しましょう。

すでにNIZA口座を保有した状態で、別の金融機関への申し込み自体は可能ですが、金融機関は税務署に対して重複確認をおこなうため、確認した時点からNISA口座が廃止されます。

無効にされた口座で買付けた株式や投資信託に関しては、一般口座で買付けたものと同様として扱われるため、注意が必要です。

ただし、口座開設後につみたてNISAから一般NISAへの変更は可能であるため、変更したい場合は変更したいとしの前年の10〜12月に手続きを済ませましょう。

一般NISAのようにロールオーバーできる?

つみたてNISAは一般NISAのようにロールオーバーができません。

ロールオーバーとは、一般NISAやジュニアNISAに定められている非課税期間が終了した際に、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠への移管を指します。

ロールオーバーをすると、保有している運用商品を新たに非課税枠に投資でき、非課税のまま運用可能な金額が増えるため、非常に魅力的です。

一般NISAであれば、5年間の非課税期間が終了する際に、新たなNISAの非課税投資枠へと移管されます。

ロールオーバーにより、一般NISAの場合は、さらに5年間は非課税で金融商品を扱える仕組みです。

つみたてNISAで買付けた株式や投資信託は、制度上新NISAへのロールオーバーができず、20年間の非課税期間が終了すると、自動的に課税口座に払い出しがおこなわれます。

まとめ

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つみたてNISAは、金融庁の厳しい基準をクリアした投資信託のみが扱われる投資初心者におすすめの制度です。

NISA専用の口座を開設する必要がありますが、販売手数料が無料であるほか、信託報酬も一定水準以下であるなど、低コストで利用できます。

また、好みのタイミングで資産の引き出しや投資額の変更がおこなえるなど、さまざまな魅力があります。

ただし、一括投資ができないことや投資対象が限られている点には注意が必要です

つみたてNISAは、年間40万円まで投資でき、低コストかつ低リスクでの運用ができるため、投資をはじめてみたいと考えている方はぜひ利用してみてください。

<参考リンク>
金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック

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