加齢や生活習慣などが原因で、膝の曲げ伸ばしが難しくなったり、関節に痛みを感じて変形性膝関節症を疑っている方もいるのではないでしょうか。
現在、変形性膝関節症に関する治療法や手術は、いくつかあるものの、完治する保証がないのが現状です。ただし、適切な対処、ケアをおこなうことで、症状の悪化を防いだり、予防したりできるため、正しい知識をつけることが大切です。
この記事では、変形性膝関節症の基本的な症状と原因、治療法などについて解説していきます。自力で治す方法やセルフケア、予防方法についても紹介しているため、変形性膝関節症で悩んでいる方は参考にしてください。
変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症とは、膝の関節部分にある軟骨がもろくなったときに、膝の痛みを引き起こす症状のことを指します。
現在、40歳以上で膝の痛みを抱えている方は、日本国内で推定800万人といわれており、大半が変形性膝関節症と関連しているのが現状です。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症の症状は、主に次の2種類があります。
- 膝の痛み
- 膝に水が貯まる
それぞれの症状について解説します。
膝の痛み
変形性膝関節症は、初期症状、中期症状、末期症状の3段階で進行していくといわれており、それぞれの痛みの度合いは、次のとおりです。
初期症状:起き上がりや歩き出すとき、鈍い痛みを感じる
中期症状:正座、しゃがむ動作、階段の登り下りで痛みを感じる
末期症状:日常生活の中で、精神的なストレスになるほどの強い痛みを感じる
膝の痛みは、症状の段階が重くなるごとに悪化していく傾向にあります。
膝に水が貯まる
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨や半月板の軟化や破損が原因で、膝に水が貯まる症状に悩むケースが多いです。膝関節が炎症を起こすと、滑膜と呼ばれる部分から大量の関節液が分泌されます。
この大量の関節液には、炎症を誘発する成分が含まれているため、痛みが増加したり、変形が進行したりするリスクがあります。膝関節周辺で張りを感じたら、水が溜まっている可能性があるため、早いうちに医療機関を受診して適切な処置を受けてください。
変形性膝関節症の検査
変形性膝関節症の疑いがある場合、問診、診察、レントゲンの3つの方法を用いて検査を実施します。
問診:膝の痛み、患者本人の自覚症状を確認
診察(触診):膝の曲げ伸ばし、痛み、腫れなどを確認
レントゲン(X線撮影):問診、診察では見えない部分を観察
その他にも、医師が必要と判断した場合、MRI検査、関節液検査、血液検査など追加の検査を実施するケースもあります。基本的には、問診と診察で変形性膝関節症であるかどうかが診断され、レントゲン検査で進行度が評価されます。
変形性膝関節症の診断基準
変形性膝関節症の診断基準は、痛みや腫れなどの症状があるかないかで判断されます。
膝関節付近に違和感を抱いて医療機関を受診した場合、大半が「変形性膝関節症の疑いあり」として、進行度をチェックするためのレントゲン検査を行います。
レントゲン検査では、軟骨の下にある骨が硬直する「軟骨下骨硬化」、関節の隙間がなくなる「関節烈隙の狭小化」、骨が棘状に変形する「骨棘」などの症状が確認可能です。
変形性膝関節症の疑いがあるとしてレントゲン検査を受けると、膝関節付近のX線写真をもとに、次の0〜4の進行度で分類されます。
進行度0:問題なし
進行度1:骨棘の可能性、関節裂隙狭小化の疑い
進行度2:骨棘、関節裂隙狭小化の可能性
進行度3:中等度で複数の骨棘、関節裂隙狭小化、骨硬化、骨端部変形の可能性
進行度4:大きな骨棘、関節裂隙狭小化、高度の骨硬化、端部変形
問診と診察で変形性膝関節症の疑いがあるとされた場合でも、レントゲン検査で進行度0になった場合、変形性膝関節症ではないと訂正されます。
また、進行度1〜4のどれかに当てはまる場合、進行度に合わせた適切な治療の検討が必要です。

変形性膝関節症の主な原因

変形性膝関節症の主な原因は、次の5つです。
- 加齢
- 肥満
- 膝への負担が大きい動作、運動
- 他の病気や外傷によるもの
- 遺伝
それぞれの原因について解説します。
加齢
変形性膝関節症の主な原因として加齢が考えられます。
膝には、膝の曲げ伸ばしやジャンプをしたときに負担を最小限に抑えるためにクッションの役割を果たす関節軟骨があります。関節軟骨は、年齢を重ねるごとにすり減っていくため、関節内の炎症や変形を引き起こす原因になります。
実際に、変形性膝関節症は40代を過ぎてから発症する患者が多いといわれています。
肥満
変形性膝関節症の主な原因として肥満が考えられます。
膝関節は、歩くときや下半身の曲げ伸ばしをおこなうときなど、日常生活を送るうえで、膝より上の身体を支える役割を果たします。つまり、肥満体型であるほど、膝関節にかかる負担は大きくなるため、変形性膝関節症を引き起こす方が多いです。
膝への負担が大きい動作、運動
変形性膝関節症の主な原因として膝への負担が大きい動作、運動が考えられます。
仕事や日常生活で、重い荷物を持ったり、階段の登り下りが多かったりすると、膝関節への負担が蓄積されていきます。また、激しい運動や対戦相手との衝突で、膝関節付近に強い衝撃が加わると、半月板や靭帯の損傷につながる可能性が高いです。
他の病気や外傷によるもの
変形性膝関節症の主な原因として他の病気や外傷によるものが考えられます。
具体的には、骨折、靭帯、半月板損傷、化膿性関節炎等の感染症の後遺症として発症するケースが多いです。後遺症が原因の場合、再手術や、変形性膝関節症の治療をおこなうことになるでしょう。
変形性膝関節症を引き起こす可能性のある施術を受ける際は、施術の衛生管理がしっかりしているか、アフターケアがついているかなどを確認すると安心です。
遺伝
変形性膝関節症の主な原因として遺伝が考えられます。
独立行政法人 理化学研究所が、変形性膝関節症が環境因子と遺伝的な因子の相互作用によって発症すると明らかにしました。
とくに、日本国内だけでも1,000万人以上の患者がいるとされており、骨、関節系の疾患では発症頻度が非常に高い病気といわれています。変形性膝関節症を患っている家族がいる場合、未然に症状を引き起こさないための予防が必要です。

変形性膝関節症の治療方法

変形性膝関節症の治療方法は、主に3つあります。
- 保存治療
- 手術治療
- 再生治療
それぞれの治療方法について解説します。
保存療法
変形性膝関節症と診断された患者は、原則的に保存治療から始めます。
保存治療は、変形性膝関節症の進行度によって、運動、装具、薬物の3種類を組み合わせて症状の改善を試みます。
運動療法
変形性膝関節症の運動療法として、筋力増強や可動域を広げるためのリハビリを行います。
リハビリは、膝関節の症状緩和の他、症状悪化を予防するためにも重要です。
筋力トレーニング:膝関節への負担を減らすため大腿四頭筋、体幹の筋肉を鍛える
可動域ストレッチ:適切な方向に関節を動かす訓練をして可動域を広げる
ダイエット:肥満は膝への負担につながるため減量する
運動療法は、膝関節以外の身体の不調を一緒に治せる可能性があります。
とくに、加齢や肥満などが原因の場合、運動療法による効果が期待できます。
装具療法
変形性膝関節症の装具療法として、サポーターやインソールが用いられています。
膝関節の負担を減らす目的で装具を使うことで、関節部分が固定されるため、骨同士が擦れることを防げます。変形性膝関節症を引き起こす原因といわれているO脚の矯正にも効果的です。
薬物療法
変形性膝関節症の薬物療法として、ヒアルロン酸注射が用いられています。膝関節に負担がかかると、関節内で潤滑油の役割を果たしている「滑液」の分泌量が減少します。
そこで、滑液の主成分といわれているヒアルロン酸ナトリウムを注入すると、水分の取り込みを促進し、関節内の滑りを円滑にする効果が高いです。
手術治療
変形性膝関節の手術治療は、保存療法で改善が見られなかったり、症状が進行してしまったりした場合に提案される治療方法です。
主に、次の3つの方法が用いられます。
手術の内容 | 手術の対象者 | 入院期間 | |
関節鏡視下手術 | 膝関節に内視鏡を入れて、 破損した半月板や軟骨を取り除いたり、清掃をしたりする | 変形性膝関節症の軽症者 | 約3日間 |
骨切り術 | 膝関節の骨を一部切断し、 関節の変形を矯正する | 若年層活動量の多い高齢者膝関節の動きが良い患者 | 約2〜3週間 |
人工膝関節置換術 | 損傷した膝関節部分を削り、 金属、セラミック、ポリエチレンなどの人工関節に置き換える | 変形性膝関節症の重症患者 | 約2〜3週間 |
原則として、変形性膝関節症と診断された場合、まずは保存療法で改善を試みます。
保存療法を約半年ほど行っても、効果がなかったり、症状が進行してしまったりした患者に対して、進行度や年齢を加味したうえで、異なる手術方法が提案されます。
骨切り術と人工膝関節置換術は、手術の規模が大きいです。
また、人工膝関節置換術に関しては、膝関節に挿入する人工関節の耐用年数が15〜20年ほどといわれており、再手術が必要な場合があります。
高齢患者を対象に、人工膝関節置換術を実施しているため、実際に人工関節の入れ替えをする手術をおこなうことは稀ですが、再手術が必要なケースがあることは把握しておきましょう。
再生療法
保存療法では効果を感じられなかったけれど、身体や経済的な負担の大きい手術治療は避けたい方におすすめするのが再生療法です。
再生療法の一種である自家多血小板血漿(PRP)療法は、患者自身の血液を使って自己治癒力を高めることができます。
各医療機関によって、やり方に違いがあるため、一括りにして説明することは難しいですが、自家多血小板血漿(PRP)療法には次のような特徴があります。
採血と注射のみで完了するため入院や手術が不要
副作用や感染症リスクが低く安全性が確保されている
治療効果の有効性と持続性が確認されている
変形性膝関節症の保存療法に効果がなく、手術を勧められたものの、抵抗がある方は、医療機関側に再生療法を検討したい旨を伝えてみましょう。
変形性膝関節症の大まかな治療費用

変形性膝関節症は、早期発見による適切な治療、予防をおこなうことで大きな手術を避けられるため、膝に違和感を感じたら、できるだけ早く医療機関を受診してください。
人工膝関節置換術は公的医療保険が適用されますが、加えて高額療養費制度も対象となる手術です。健康保険や医療制度を利用すると、節約しながら変形性膝関節症の手術を受けられるため、前向きに検討してみましょう。
具体的な治療費用は、次のとおりです。
関節鏡視下手術 | 50,000円〜(3割負担) 20,000円〜(1割負担) |
骨切り術 | 100,000円〜(3割負担) 30,000円〜(1割負担) |
人工関節置換術 | 240,000円〜(3割負担) 80,000円(1割負担) |
幹細胞治療(再生医療) | 1,000,000円〜 |
PRP治療(再生医療) | 30,000円〜 |
PRP-FD療法、APS療法(再生医療) | 300,000円〜 |
最新治療である再生医療に関しては、安全性、有効性は確認されているものの、保険診療として認可されるほどの臨床データが揃っていないため、現時点では自費診療となります。
変形性膝関節症の予防方法
変形性膝関節症の予防方法は、次のとおりです。
- 適切な運動
- 体重管理
- 膝に負担をかける運動、動作を控える
- 膝を冷やさない
それぞれの予防方法について解説します。
適切な運動
変形性膝関節症には、適切な運動が効果的です。
筋トレやストレッチなどの運動は、変形性膝関節症の保存療法として用いられていることからわかるとおり、膝関節への負担を軽減させられます。
日常的に筋トレやストレッチをおこなうことが良いとされていますが、痛みや炎症が起きた際は、一時的に休息をとって様子をみてください。
体重管理
変形性膝関節症には、体重管理が効果的です。
肥満体質になると、身体を支えるために、膝関節には必要以上の負荷がかかるため、軟骨や靭帯、半月板の損傷につながりかねません。食事管理や適切な運動を取り入れて、膝への負担を軽減させる工夫をしてください。
膝に負担をかける運動、動作を控える
変形性膝関節症には、膝に負担をかける運動、動作を控えることが効果的です。
適切な運動は、変形性膝関節症の予防になりますが、激しい運動や強い負荷がかかった動作を繰り返すと半月板や靭帯の損傷につながります。激しい運動をする際は、入念なストレッチや運動後のアフターケアを徹底するようにしてください。
膝を冷やさない
変形性膝関節症には、膝を冷やさないことが効果的です。
膝を冷やすと、膝関節周辺の筋肉や腱がこわばり、固くなったり、血行が悪くなったりする原因につながります。
膝関節周辺の部位が機能しなくなれば、膝関節への負担も大きくなるため、できるだけ体温を高く保てるよう入浴をしたり、装着器具を使用したりしてください。

【セルフケア】変形性膝関節症を改善する方法

変形性膝関節症を自力で改善するセルフケアの方法は、次のとおりです。
- 安静にする
- 膝を温める
- 指圧
- ストレッチ
- 大腿四頭筋のトレーニング
それぞれのセルフケアの方法について解説します。
安静にする
変形性膝関節症の進行度によっては、炎症のみを起こしている可能性があるため、膝関節を安静にするだけで改善がみられるケースが多いです。
できるだけ重い荷物を持つことや激しい運動、膝を使う動作を一時的に休止して、膝関節の症状に変化があるかみてください。
膝を温める
先ほど、膝を冷やすと膝関節付近の筋肉疲労につながるため、できる限り温めましょう。
冬や冷房が効いた部屋では、膝を冷やさないためにズボンを履いたり、サポーターで固定したりすると、体温を下げることを防げます。また、日常的に入浴や食事管理をすることで、基礎体温を高めることも期待できます。
指圧
変形性膝関節症の痛みが治りにくい原因として、不自然に増殖した異常な血管「もやもや血管」が関与している可能性があります。もやもや血管は、血流の流れが一定時間止まることで死滅する傾向にあるため、指圧をおこなうだけで解消できます。
指圧の方法は、次のとおりです。
親指を使って膝関節周辺を軽く押して、痛みのある部分を探る
痛みのある部分がわかれば、ゆっくりと15秒かけて指圧する
初めのうちは、痛みを感じるのですが、指圧を続けることで痛みが緩和されていけば、効果があると判断できます。強く指圧すると逆効果のため、親指の爪が白くなる程度を目安としてください。
1日2回ほど続けると、個人差があるものの、早くて数日、遅くとも2〜3週間で効果が感じられます。
ストレッチ
痛みによって膝関節の可動域に制限がある場合は、ストレッチで解消していきましょう。
ゆっくりと膝関節の可動域を広げたり、下半身部分の筋肉や腱を伸ばしたりすると、適切な向きに動かす感覚を掴めるようになります。
大腿四頭筋のトレーニング
前太ももについている大腿四頭筋の筋力が低下すると変形性膝関節症の発症率が高くなるといわれています。
そもそも、大腿四頭筋とは次の4つの筋肉で形成されており、それぞれの部位で異なる機能を果たしています。
名前 | 場所 | 機能 |
大腿直筋(だいたいちょっきん) | 太ももの中央 | 膝の曲げ伸ばしと股関節を曲げる動作 |
中間広筋(ちゅうかんこうきん) | 大腿直筋の下 | 4つの筋肉の中で膝を伸ばす力の割合が最大 |
内側広筋(ないそくこうきん) | 太ももの内側 | 膝の曲げ伸ばしと膝蓋骨を安定させる |
外側広筋(がいそくこうきん) | 太ももの外側 | 4つの筋肉の中で筋肉量が最大 |
大腿四頭筋のトレーニングをすると、膝関節トラブルのリスクを最小限に抑えられます。
【注意】変形性膝関節症でしてはいけないこと

変形性膝関節症でしてはいけないことは、次のとおりです。
- 膝を深く曲げる動作
- 急に立ち止まったり動いたりする動作
- 過度な運動
- お酒とタバコ
それぞれの項目について解説します。
膝を深く曲げる動作
変形性膝関節症の症状が進行しており、関節部分の骨が損傷している場合、膝を深くまで曲げると、損傷した破片が周囲に当たり、炎症を引き起こします。
何気ない日常生活でも、膝を深く曲げる動作は多くあるため、できる範囲でライフスタイルを変えて、症状の悪化を防ぎましょう。
- 床に座る→椅子に座る
- 和式トイレを使う→洋式トイレを使う
- 布団で寝る→ベッドで寝る
上記のように、工夫次第で膝への負担を避けることができます。
急に立ち止まったり動いたりする動作
急に立ち止まったり、急に動いたりする動作は、膝関節への負担が大きいです。
具体的には、テニス、サッカー、ジョギング、スキー、バスケットボールなどが挙げられます。
炎症を抑えるためには、まずは安静にすることが重要ですので、止まるときも動くときも余裕を持って、痛みが出ないよう膝の調子を確認しながら行ってください。
過度な運動
適度な運動は、膝関節を支える筋肉を鍛えるために必要とされていますが、激しい運動は避けてください。
ジョギング等の有酸素運動は、体重減量に有効ですが、膝への負担が大きいため、無理のない範囲でウォーキングに切り替えたり、工夫が必要です。
全く運動をしなくなると、肥満や筋力低下につながるため、適切な運動量を取り入れて生活してください。
お酒とタバコ
変形性膝関節症は、怪我の一種と認識されがちですが、お酒やタバコで症状が悪化する病気です。
まず、タバコの煙には軟骨を形成するコラーゲンの生成に必要なビタミンCを減少させる作用があります。また、お酒のアルコールには軟骨の弾力性を低下させて、抹消しやすい体質に変える作用があります。
変形性膝関節症を患っている患者にとって、お酒とタバコは症状の悪化を促進する二大要素ですので、摂取しないことが重要です。
【ランキング】変形性膝関節症の治療におすすめのクリニック
変形性膝関節症の治療を受けるなら、膝治療に特化した専門クリニックでの受診がおすすめです。
膝の痛みに悩まず健康的な生活を送りたい方は、ここで紹介するクリニックをぜひ参考にしてください。
1位:ひざ関節症クリニック
施術内容 | ヒアルロン酸注射、PRP-FD注射、培養幹細胞注射、APS再生治療 |
費用 | 初診:3,300円 MRI検査:8,000円~12,000円 |
拠点数 | 14拠点 |
診療時間 | 9:00~18:00 |
支払い方法 | 現金、クレジットカード、デビットカード |
2位:シン・整形外科(旧東京ひざクリニック)
変形性膝関節症に関するよくある質問

変形性膝関節症に関する質問について回答します。
変形性膝関節症は自力で治る?
結論からお伝えすると、変形性膝関節症は、自力で治すことができない病気です。
変形性膝関節症に関わる膝の軟骨は、血管が通っていないため、一度損傷すると、自然治癒は絶対にありません。ただし、早期発見による治療を施すことで、症状の悪化を防げます。
痛みが出たり、腫れに気づいたりしたら、できるだけ早く医療機関を受診して、減量や筋力アップトレーニングなどのアドバイスをもらいましょう。
症状によっては、保存療法以外に、手術や再生療法が必要なケースもあります。
変形性膝関節症はどんな方がなりやすい?
変形性膝関節症は、さまざまな要因で発症しますが、加齢と肥満と運動不足が大きく関与しているといわれています。
さらに、日本国内の患者数は、男性が約860万人に対して、女性が1,670万人と推定されており、女性の方が発症しやすい病気であることがわかっています。
また、遺伝要素もあるため、変形性膝関節症を患っている家族がいる場合、生活習慣よって発症する可能性が高いです。
ヒアルロン酸の関節注射は効果ある?
結論からお伝えすると、ヒアルロン酸の関節注射は痛みを抑える目的であれば効果があります。
ヒアルロン酸の関節注射は、変形性膝関節症の保存療法の一環として行われているのが現状です。
1回のヒアルロン酸の関節注射では、約1〜2週間ほど持続効果があるといわれており、繰り返し注射をおこなうと、徐々に効果は弱くなるといわれています。
つまり、一時的に痛みを和らげたいのであれば、ヒアルロン酸の関節注射は有効ですが、長期的な視点で変形性膝関節症を解消したいのであれば、他の治療を試す必要があります。
まとめ

この記事では、変形性膝関節症の基本的な症状と原因、治療法などについて解説しました。
痛みの緩和や症状の進行を抑えるための自力ケアも多くあります。ただし、軟骨が損傷してしまった場合、セルフケアで完治しないため、医師の指導のもと、正しい治療をおこなうことが大切です。
早期発見による治療が何よりも重要ですので、膝関節付近に痛みを感じた方は、できるだけ早く医療機関を受診するようにしてください。
※本記事の情報は2022年1月時点のものです。
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