急に現金が必要になった際に便利なサービスが「キャッシング」です。
しかし、これまで利用したことがない方の中には「キャッシングってそもそもなに?」「利用方法がわからない」このような疑問を抱いている方が多くいます。
結論をお伝えすると、キャッシングとは現金を借り入れられるサービスです。コンビニや銀行のATMで借り入れられるため、急な出費にも対応できます。
本記事では、キャッシングの基本情報や利用方法、注意点などについて解説するため、キャッシングの利用を検討している方は参考にしてみてください。
キャッシングとは?
キャッシングとは、現金を借り入れるためのサービスです。キャッシングには次の2つの種類があります。
- ・クレジットカードのキャッシング機能
- ・カードローン
クレジットカードのキャッシング機能は、現金を借り入れられるクレジットカードの付帯サービスの1つです。クレジットカードには、買い物の際に利用できるショッピング枠のみでなく、キャッシングで利用できるキャッシング枠があります。
それぞれのクレジットカードで定められているキャッシング枠の上限内であれば、いつでも借入が可能です。
一方、カードローンは現金の借り入れに特化したキャッシングサービスのため、クレジットカードのようにショッピング枠が設定されていません。
カードローン会社で定められている上限金額や審査のうえ、利用可能額が決められます。
上記の2つはそれぞれ特徴が異なるため、確認しておきましょう。
クレジットカードのキャッシング機能 | カードローン | ||
---|---|---|---|
消費者系金融カードローン | 銀行系カードローン | ||
金利 | 高い | 高い | 低い |
融資限度額 | 審査のうえ決定 | 年収の3分の1まで | 審査のうえ決定 |
最短融資日数 | 最短即日 | 最短即日 | 数日〜1週間程度 |
審査基準 | ・年齢
・安定した収入があるか など (所有しているクレジットカードであれば一般的に再審査なし) |
・年齢
・安定した収入があるかなど |
・年齢 ・安定した収入があるかなど |
無利息期間 | なし | あり | なし(一部あり) |
※利用するクレジットカードやカードローン会社によって内容が異なる場合があります
上記の表のとおり、カードローンには「消費者系金融カードローン」と「銀行系カードローン」の2種類があります。
消費者系金融カードローンは貸金業者にあたるため、貸金業法で定められている「総量規制」を厳守する必要があり、年収の3分の1までしか貸付できません。
銀行系カードローンは貸金業者ではないため、貸金業法の対象にならず、年収の3分の1以上の金額を貸し付けられます。しかし、審査のうえ貸付金額が決まるため、融資限度額まで貸し付けてもらえるとは限りません。
クレジットカードのキャッシング機能とカードローンを比較すると、金利に大きな違いがあります。クレジットカードのキャッシング機能の金利は、カードローンよりも高い場合が多いです。
金利が高い場合、高額な利息が発生するため、支払い総額が高くなります。できるだけ金利の低いキャッシングサービスを利用したい方は、銀行系カードローンを利用するべきです。
しかし、銀行系カードローンは、即日の融資に対応していません。クレジットカードのキャッシング機能は即日の融資に対応しているため、すぐに現金を借り入れたい方におすすめです。
また、すでに所有しているクレジットカードであれば、再審査不要でキャッシングを利用できます。
人によってどちらを利用するべきか異なるため、自身に最適な特徴のあるキャッシングサービスを利用してみてください。
クレジットカードのキャッシング機能とは
クレジットカードのキャッシング機能を利用する前に、仕組みや特徴などの基本情報を確認しておきましょう。
- ・クレジットカードのキャッシング枠の利用による借り入れ
- ・キャッシングには事前に申し込み・審査が必要
- ・24時間コンビニや銀行のATMで現金の借り入れが可能
- ・海外でもキャッシング可能
これまでキャッシングを利用したことがない方は、しっかり確認してみてください。
クレジットカードのキャッシング枠の利用による借り入れ
クレジットカードのキャッシング機能は、キャッシング枠を利用した借り入れです。
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠が設定されており、キャッシング枠の限度額内であればいつでも借り入れできます。
しかし、ショッピング枠とキャッシング枠の限度額は、それぞれ独立しているわけではない点に注意してください。
ショッピング枠とキャッシング枠は限度額を共有しているため、キャッシング枠を利用するとショッピング枠の利用可能額が減ります。
そのため、毎月ショッピング枠の限度額近くまで利用するような方は、ショッピング枠の利用額を考慮してキャッシングしなくてはなりません。
たとえば、ショッピング枠が100万円でキャッシング枠が30万円のクレジットカードで30万円キャッシングすると、ショッピング枠は70万円しか利用できなくなります。
クレジットカードしか利用しないような方は、ショッピング枠で利用する分の金額を考慮したうえでキャッシングしましょう。
キャッシングには事前に申し込み・審査が必要
キャッシングを利用するには、事前に申し込み・審査が必要です。
理由は、返済能力があるか審査せずに貸し付けてしまうと、借主が返済できない場合クレジットカード会社が損をします。
そのため、事前に借主の個人情報や信用情報などから、返済能力があるか確認しなくてはなりません。審査内容は公表されていないため、対策できません。
しかし、本人確認書類と申し込み書類の内容の不一致は回避できるため、丁寧に記入してから提出するようにしましょう。
クレジットカードのキャッシングを利用するには審査が必要とお伝えしましたが、すでに所有しているクレジットカードであれば審査なしでキャッシングできます。
クレジットカードを申し込んだ際に審査をおこなってから発行しているため、再審査する必要がありません。すでに返済能力があると認められているため、審査なしで利用できます。
審査が不安な方は、すでに所有しているクレジットカードのキャッシング機能を利用してみてください。
24時間コンビニや銀行のATMで現金の借り入れが可能
クレジットカードのキャッシングは、コンビニや銀行のATMで最大24時間の間借り入れができます。
わざわざクレジットカードが指定する銀行に足を運ぶ必要がないため、手軽に利用できるのではないでしょうか。コンビニであれば、24時間利用できるATMも多いため、急に現金が必要になった場合も対応できます。
クレジットカードによって、提携しているコンビニが異なる場合もありますが、次のコンビニのATMと提携している場合が多いです。
- ・ローソン銀行
- ・セブン銀行
- ・Enet(ファミリーマート)
自宅近くにコンビニがある方は、いつでも借り入れできるため非常に便利です。
しかし、銀行のATMは利用時間が決まっており、24時間利用できない点に注意してください。一例として、一部銀行のATMの利用時間をお伝えします。
利用可能時間 | |
---|---|
イオン銀行 | 0:10~23:45
(毎月第二月曜日の1:30~7:00は営業停止) |
セブン銀行 | 0:10~23:50 |
東京スター銀行 | 24時間
(第2・第4月曜の0:15~6:15以外) |
三井住友銀行 | 火~土:24時間
日:0:00~21:00 月: 7:00~24:00 |
ゆうちょ銀行 | 0:05~23:55
(月曜および休日の翌日は7:00から取扱開始) |
上記の表のとおり、時間帯や曜日によって利用できない場合があります。コンビニであれば24時間利用できるため、不安な方はコンビニのATMを利用しましょう。
上記の利用可能時間は、楽天カードのキャッシングが利用できる時間帯です。
利用するクレジットカードによって利用可能時間が異なる場合もあるため、発行するクレジットカードの公式サイトから確認してみてください。
海外でも現金が手に入る
クレジットカードのキャッシング機能は、海外でも利用できます。
海外のATMから現地の通貨を引き出せるため、海外旅行へ頻繁に行く方にとっては非常に便利です。
また、日本で利用する場合と同じくATMが利用できる時間帯であればいつでも利用できるため、大金を持ち運ぶ必要がありません。
利用する分のお金のみ引き出せばよいため、治安が悪い地域に行ったりスリが不安だったりする場合も安心です。
現地の両替機で両替するよりもキャッシングする方がお得な場合もあるため、レートと比較してみてください。
海外でキャッシングする際は、自身の所有しているクレジットカードの国際ブランドと同じマークがあるATMで利用できます。
利用手順は利用するクレジットカードやATMによって異なるため、クレジットカード会社の公式サイトで確認してみてください。
キャッシング機能の利用方法
キャッシング機能を利用して現金を借り入れる際は、3つの方法のいずれかを利用しましょう。
- ・コンビニATMからの借り入れ
- ・銀行ATMからの借り入れる
- ・指定の口座振込サービスを利用
1つずつ特徴や利用手順を解説するため、自身に最適な方法を検討してみてください。
コンビニATMの場合
コンビニのATMでキャッシングする際は、次の手順を参考にしましょう。
- クレジットカードを挿入
- 暗証番号と借り入れ希望金額を入力
- 返済方法選択
- 現金とクレジットカードを受け取り終了
上記のとおり、手順はとても簡単です。利用するATMによっては、手順が異なる場合もあるため注意してください。
返済方法には「一括返済」と「リボ払い」があります。
一括で返済できる余裕がある方は「一括返済」、毎月一定の支払額で返済していきたい方は「リボ払い」を選択しましょう。
現金を借り入れた後に、クレジットカードの受け取りを忘れないように注意してください。
銀行ATMの場合
銀行ATMでキャッシングする際は、次の手順を参考にしてみましょう。
- 「お引き出し」を押す
- 「お借り入れ」を押す
- 暗証番号と借り入れ希望金額を入力
- 現金とクレジットカードを受け取り終了
銀行のATMで借り入れる場合も、コンビニのATMで借り入れる場合と入力する内容は同じです。
しかし、利用する銀行によっては手順が異なる場合もあるため、クレジットカードや銀行の公式サイトで操作方法を確認してみてください。
銀行のATMは、コンビニのATMと異なり利用できる時間に限りがあります。そのため、事前にATMの利用時間を確認してから利用しましょう。
指定の口座振込サービスを利用する場合
クレジットカードのキャッシング機能は、指定の口座振込サービスでキャッシングできる場合もあります。
口座振込サービスの利用手順は、利用するクレジットカードによって利用するサイトやアプリが異なるため、公式サイトで確認しましょう。
ここでは、一例としてJCBカードのキャッシングで利用できる口座振込サービスの手順を紹介します。
インターネットの場合 | 1:「MyJCB」にログイン
2:「リボ・分割払い&キャッシング」を選択 3:「キャッシング振り込みサービスのお申し込み」を選択 4:「キャッシングリボ払い」か「キャッシング1回払い」を選択 5:借り入れ希望金額を入力 6:最短数十秒で指定の支払い口座へ振り込まれる |
---|---|
電話の場合 | 電話番号:0120-3540-33
受付時間:24時間 |
上記のとおり、JCBカードの口座振込サービスを利用してキャッシングする場合は、インターネット上か電話から申請します。
電話の場合、クレジットカードのカード番号と暗証番号を口頭で伝える必要があるため、事前にクレジットカードを準備しておきましょう。
JCBカードのようにインターネットや電話で申請できるクレジットカードは多いです。
他にも、専用アプリから申請できるクレジットカードもあるため、キャッシング利用予定のクレジットカードの公式サイトから確認してみましょう。
キャッシングした借入金の返済方法
キャッシングで借り入れた現金は、返済する必要があります。返済方法は主に次の2つです。
- ・一括返済
- ・リボ払い
クレジットカードを利用したことのある方は、聞いたことのある返済方法ではないでしょうか。すでに把握している方も、キャッシングを利用する前に再度確認してみてください。
一括返済
キャッシングで借り入れた現金は、一括返済できます。
一括返済とは、ショッピング枠の利用分と合算し、クレジットカード会社で定めている引き落とし日にまとめて引き落とす返済方法です。
ショッピング枠の利用分と一緒に返済できるため、返済忘れが不安な方や金利の影響をできるだけ受けたくない方なども、安心できます。
たとえば、締め日が毎月15日・支払日が翌月10日の場合、15日までに利用したショッピング枠とキャッシング枠の合計金額が、翌月10日に引き落とされます。
ショッピング枠とキャッシング枠が合算され、いつもよりも引き落とし金額が高額になる可能性があると理解しておきましょう。口座の残高不足に注意してください。
リボ払い
キャッシング利用分は、一括払いのみでなくリボ払いでも返済できます。
リボ払いとは、毎月一定の金額を返済する方法です。一括払いのように大きな金額を1回で支払うわけではなく、一定の金額の返済で済むため毎月の支払いの負担が減ります。
毎月3,000円からの返済に対応しているクレジットカードが多いです。
たとえば、20万円のパソコンをキャッシングで購入した場合、毎月の返済額は3,000円で済むため、多くの現金が手元にない状態でも手持ちのお金以上の買い物ができます。
しかし、リボ払いは支払いが長期化し、金利による利息の影響を大きく受ける可能性が高い点に注意してください。
利息は「キャッシング残高×金利×利用日数÷365日」の計算式で求められ、借り入れる金額の大きさと利用日数によって変動します。
リボ払いを利用する際は、事前にどれほどの利息がかかるのか計算した上で、返済計画を立てましょう。
一部のクレジットカードの公式サイトでは、リボ払いのシミュレーションができます。
JCBカードの公式サイトでは利用予定金額や支払いコースなどを記入するだけで、どれほどの利息が発生するか表示してくれるため、利用してみてください。
キャッシング機能を利用する際の注意点
キャッシング機能を利用する際は、次の注意点に気をつけてください。
- ・金利・利息の発生
- ・ATMの利用手数料がかかる可能性
- ・クレジットカードの利用限度枠を圧迫する恐れ
初めて利用する方が上記の注意点を理解せずにキャッシングすると、損する可能性があります。注意点を理解し、金銭面で損しないようにしましょう。
金利・利息がかかる
クレジットカードのキャッシングは、金利による利息がかかります。一括返済やリボ払いにかかわらず利息は発生するため、注意してください。
一括払いの場合はそこまで大きな影響を受けません。一方、リボ払いの場合は支払い期間が長期化すると、高額な利息が発生します。
リボ払いの利用を検討する際は、どの程度の利息がかかるのか把握したうえで利用しましょう。
ATMの利用手数料がかかる場合がある
ATMで借入をおこなう場合、利用手数料がかかる場合がある点にも注意してください。
クレジットカード会社によっては、1回の利用で110〜220円程度の利用手数料が発生します。
1回の利用手数料だけ見ると少額ではありますが、何度も利用していると高額になるため、できるだけまとめて引き出すとよいでしょう。
クレジットカード会社の中には、手数料無料でATMから借り入れられる場合もあります。そのため、利用手数料が不安な方は、手数料のかからないクレジットカードのキャッシングを利用しましょう。
クレジットカードの利用限度枠を圧迫する恐れがある
クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠の2つがありますが、それぞれに限度額が決められているわけではありません。
2つの枠は1つの限度額を共有しているため、キャッシングを利用するとショッピング枠の利用限度額を圧迫する点に注意してください。
たとえば、クレジットカードの限度額とショッピング枠が100万円でキャッシング枠が30万円の場合、キャッシングで20万円利用すると、ショッピング枠は80万円までしか利用できません。
ショッピング枠を毎月限度額近くまで利用する方は、ショッピング枠を考慮したうえでキャッシングする必要があります。
キャッシングに関するよくある質問
ここでは、キャッシングに関するよくある質問に回答します。
金利の相場や借り入れ上限金額の変更方法、住宅ローンへの影響についてを解説するため、気になる方は確認してみてください。
キャッシングの金利相場はどれくらいですか?
キャッシングの金利相場は、次のとおりです。
- ・クレジットカードのキャッシング:18%
- ・銀行系カードローン:3〜15%
- ・消費者金融系カードローン:5〜18%
上記の金利相場はあくまで目安です。クレジットカードのキャッシングは、他のキャッシングサービスと比較しても金利が高いといえます。
キャッシング枠の上限金額を変更することはできますか?
できます。キャッシング枠の上限金額を変更する際は、契約しているクレジットカード会社のサポートセンターへ電話で問いあわせてみてください。
中には、アプリやインターネット上から変更できるクレジットカード会社もあります。
住宅ローンの借入に影響することはありますか?
クレジットカードのキャッシングを滞納すると、信用情報に傷がついて住宅ローンの審査に影響が出ることもあります。
返済日までに借り入れ額を返済できれば、信用情報に傷はつかないため安心してください。
まとめ
今回は、キャッシングの基本的な情報や返済方法、注意点などについて解説しました。クレジットカードのキャッシングの基本的な情報を再度確認してみましょう。
- ・クレジットカードのキャッシング枠の利用による借入
- ・キャッシングには事前に申し込み・審査が必要
- ・24時間コンビニや銀行のATMで現金の借入が可能
- ・海外でもキャッシング可能
あくまでも、クレジットカードのキャッシングは付帯サービスの1つです。
コンビニのATMであれば24時間借り入れ可能なため、急な出費や予定などで現金が足りずに困っている方は、ぜひ利用してみてください。