住民税は、在住している地域に対して、地域社会で利用される費用や公共サービスを分担するための税金です。
通常住民税は支払わなくてはなりませんが、売上が大幅に低下したり、退職後の転職先が見つからなかったりなどの理由から払えなくなることもあるでしょう。
住民税を滞納した場合、何が起こるのか気になる方は多いかもしれません。
本記事では、住民税が払えない際の対処法や連絡先、高額になる原因から対策まで詳しく解説します。
住民税を抑えるコツについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも住民税とは?
住民税は、日常生活を支える多くの行政サービスを維持、発展させるための資金源として各地域で徴収される税金です。
具体的には、子どもたちの教育環境の充実、地域の福祉の向上、各種の公共サービスの提供など、都道府県や市区町村で生活する方の生活品質を高める多様なサービスを支えています。
住民税は、一人一人の収入に応じて徴収額が決まるため覚えておきましょう。
高い収入を得ている方はより多くの税金を支払い、収入が少ない人は比較的少ない額となるように設計されています。
住民税は、社会全体で行政サービスの経費を公平に分担しているといえるでしょう。
また、住民税の額は住む場所によっても異なります。
都市部や郊外、さらには地域の経済状況などに応じて、異なる税率や徴収方法が採用されています。
住民税は、道府県民税と市町村民税の二つから成り立っています。
重要なのは、住民税の納税義務地点が、毎年1月1日現在の居住地とされている点です。
たとえば、1月2日に転居した場合でも、納税の基準は前年の1月1日の住所となるため、理解しておかなければなりません。
住民税が払えなくなる主な理由
住民税は、何かしらの理由で支払えなくなる方が存在します。
住民税が払えなくなる代表的な理由としては、次のとおりです。
- ・今年の売上が去年と比べて大幅に下がった
- ・退職後の転職先が決まらない
それぞれ詳しく解説します。
今年の売上が去年と比べて大幅に下がった
住民税の納税額は、前年の所得を基に算出されます。
ある年の所得が高ければ翌年の住民税の額も高くなり、反対に所得が低ければ住民税も低くなります。
しかし実際のビジネスの現場では、経済の変動や外部環境の影響により、所得が急激に変動する場合が考えられるでしょう。
とくに今年の売上が前年と比較して大幅に減少した場合、住民税の納税が困難になるケースが考えられます。
たとえば、小規模のレストランを経営しており売り上げは好調でしたが、大きな建設プロジェクトが地域で開始されたり新たなライバル店が出店したりし売上が激減するケースです。
過去の所得に基づいて住民税が算出される仕組みは、一定の公平性を保ちつつも、所得が大きく変動する場合には納税が厳しくなることもあるでしょう。
退職後の転職先が決まらない
住民税は、前年の所得に応じて確定します。
そのため、何らかの理由で退職してしまい、転職先が決まらない場合は住民税の支払いが厳しくなることがあります。
たとえば、前年が正社員として働いており多くの所得を得ていた場合は、今年の住民税は多くなるため収入が低下した際、支払いは困難です。
住民税の支払いで困らないためには、退職してから転職活動をおこなうのではなく、在職中におこなうことがおすすめです。
日常生活が忙しくて転職活動に費やす時間を確保できない場合は、転職エージェントのようなサービスの利用も一つの方法です。
住民税が払えず滞納した場合どうなる?
住民税が払えず滞納した場合は、次のことが起こります。
- ・延納金が発生する
- ・社会的に信用がなくなる
- ・催促状が発送される
- ・催告状が発送される
- ・資産が差し押さえられる
それぞれ詳しく解説します。
延納金が発生する
住民税に限らず税金を滞納した場合は、延納金が発生します。
事業所得者の場合は、自身で確定申告をおこなう必要がありますが、遅れた場合は延納金を支払わなければなりません。
また確定申告の内容に不備があり、納める税金が少なすぎる場合も税金を滞納したと判断されてしまうため、延納金が課されてしまいます。
延納金は、支払いが遅れるほど増額されてしまいます。
そのため、可能な限り迅速な納税が重要です。
社会的に信用がなくなる
住民税が払えず、滞納した場合は社会的な信用を失うことにつながります。
たとえば、会社員の場合は住民税の滞納情報が勤務先に伝わる可能性があるでしょう。
役所が支払いの督促のために勤務先に連絡するケースがあり、電話にでた方から同僚や上司に伝わってしまい、信頼を損なう恐れがあります。
同様に、自営業の方も住民税の滞納が深刻な影響を及ぼす。
自営業の場合は、住民税の滞納により預金口座が差し押さえられたり、銀行からの融資が困難になったりするでしょう。
さらに、取引先や業界内で信用をそこなえば、今後の運営にも悪影響を及ぼします。
信用がなければ、ビジネスの機会損失にもつながるため、早めの対応が求められます。
催促状が発送される
住民税は、給与所得者と自営業者やフリーランスの方とで、支払いの形態が異なります。
給与所得者の場合、税金は自動的に給与から天引きされるため、支払い忘れることは基本的にありません。
しかし自営業者やフリーランスの方は、納税する必要があり、支払えないリスクが存在します。
住民税を何らかの理由で支払えない場合、まずは催促状が届きます。
催促状は、納税を忘れているか、見落としている場合のリマインダーとして機能します。
催促状の時点で、早急に支払いを完了させれば、とくに問題はありません。
催告状が発送される
催告状は、催促状と同じく住民税が期限内に支払われない場合に手元に届く書類です。
催告状には、法的措置の請求に関する文言も含まれており、書面は普通郵便ではなく内容証明郵便で送られてきます。
内容証明郵便とは、いつどのような内容の文書が誰宛に差し出されたかを、差出人の謄本により日本郵便が証明する制度です。
内容証明郵便の利用により、時効が中断されてしまいます。
催告状は、催促状より深刻な状態であり、放置すると資産を差し押さえされます。
そのため、無視せずに早めに対策を講じる必要があるでしょう。
資産が差し押さえられる
催告状が届いてもなお、支払わない場合は資産の差し押さえがおこなわれます。
差し押さえの直前には、差押予告書が発行され、受け取ると滞納中の住民税を一括で支払うか、資産が差し押さえられてしまいます。
資産の差し押さえは、差押予告書が発送されてから10日間経過した場合におこなわれるため、注意が必要です。
差し押さえられる資産は、給与や預貯金、不動産、生命保険などさまざまです。
大切な資産を失いたくない場合は、市区町村の催促や催告を無視せずに窓口へ相談しましょう。
住民税が払えない場合の対処法
住民税の支払いの見通しがたたず、難しい場合は次の方法で対処しましょう。
- ・徴収猶予をおこなう
- ・失業により払えないときの救済措置を利用する
- ・住民税の減免を申請する
- ・債務整理をおこなう
- ・住民税に詳しい方に相談してみる
- ・各自治体の窓口を利用する
- ・税理士に相談する
- ・ファイナンシャルプランナーに相談する
住民税を滞納した場合の対処方法について理解しておけば、仮に滞納したときも安心して対処できます。
住民税が払えない場合の対処方法について、詳しく解説します。
徴収猶予をおこなう
住民税の納付に関して、支払いが難しい場合、一時的に納付を猶予される、または分割での支払いが認められる制度が存在します。
住民税の徴収猶予が認められる主な理由は、次のとおりです。
- ・災害や盗難による損害
- ・納税者やその家族の疾病や負傷
- ・事業の中止や一時的な休業
- ・事業での顕著な損失
- ・修正申告などで納期限から1年以上が経過した後に確定した納付税額
利用する際には、市区町村によっては異なる書類を提出する必要がありますが、主に次のような書類が求められます。
- ・申請書
- ・資産の一覧や収支の詳細
- ・担保を提供する場合: 担保提供の書類や関連資料
- ・猶予を希望する理由を証明する書類: 罹災証明書、医療費の受領証、事業の廃業届出書、決算書など
場合によっては、上記以外の追加書類が要求されることも考えられます。
その際は、指示に応じた迅速な対応が望ましいです。
失業により払えない時の救済措置について
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、多くの方が収入減少や失業といった経済的困難を経験しています。
いくつかの地方自治体では、新型コロナウイルスの影響を受け、失業した方に向け住民税の納付に関する救済措置を導入している場所が見られます。
すべての自治体で適用されるわけではないため、自身の居住地の役所に問い合わせて、利用可能な救済措置の有無の確認が重要です。
救済策の主な内容は、次のとおりです。
- ・新型コロナウイルスの影響により、事業や就業に関連する収入が大幅に減少した方を対象に、最大1年間、住民税の徴収を猶予する
- ・ 猶予を受けるための担保の提供は必要なく、期間中に延滞金も発生しない。
救済措置の適用対象者は、次のとおりです。
・新型コロナウイルスの影響で、特定の期間の事業や就業に関連する収入が、前年度やそれ以前と比べて大幅に減少した場合
- ・一度の納付が困難な状態にある方
- ・必要とされる書類を完全に提出できる方
収入の減少率や該当期間などは、自治体ごとに異なるため、詳細は直接お住まいの役所に問い合わせるようにしましょう。
住民税の納付が困難な方は、ぜひ救済措置の利用を検討してみてください。
住民税の減免を申請する
前述した徴収猶予で納税できない場合は、住民税の減免を申請しましょう。
世帯収入が生活保護基準を下回る場合や怪我、病気などの理由で今後2年以上資産の回復見込みがなければ、減免が認められる可能性があります。
申請者の家庭状況や支出、収入などの観点から減免を認められるかどうかが確定します。
生活保護を申請する
住民税の支払いがどうしても厳しい場合は、生活保護の申請も一つの方法です。
生活保護の受給を開始すると、住民税のような税金に関する徴収手続きが一時的に停止されます。
受給している間に新たな支払い請求は発生せず、さらに現在未払いとなっている住民税も免除されます。
しかしながら、生活保護を受けるためには、いくつかの制約や条件を満たさなければなりません。
たとえば、所有している車や不動産などの資産について、売却が必要な場合があります。
そのため、生活保護を検討する際は、条件や制約を理解し、本当にそれが最良の選択であるかどうかの慎重な判断が重要です。
債務整理をおこなう
住民税の滞納が生じた場合、弁護士や司法書士に相談し、債務整理をおこなうことがおすすめです。
住民税が直接的に減額されない場合でも、所持している他の借金に関して債務整理の手続きをおこなえば、全体的な返済負担を軽減できる可能性が高まります。
債務整理により、返済額に余裕が生まれれば住民税の支払いへ充てられます。
債務整理は、借金の額や返済計画を再編する手続きで、多額の借金に悩む多くの方におすすめの返済方法です。
債務整理により毎月の返済額が軽減されたり、利息がカットされたりし、返済の見通しが立てやすくなるでしょう。
しかし、債務整理をおこなうためには、正確な現状の把握と、今後の生活の見直しが必要となるため、経験豊富な弁護士や司法書士に相談しましょう。
住民税に詳しい方に相談してみる
住民税の滞納で悩んでいる場合、住民税に精通した専門家に相談するとよいです。
税務の専門家、とくに税理士や弁護士は、税金に関する法律や制度を熟知しており、専門的知識を活かして個々のケースに合ったアドバイスを提供してもらえます。
たとえば、滞納した住民税に対してどのような罰則が適用されるのか、納税の猶予や減免が可能な状況は何かなど、具体的な対処法を教えてもらえるでしょう。
さらに、専門家は地方自治体とも連携しており、自治体独自の救済措置や制度を詳しく説明してもらえる場合もあります。
一人で悩んでいる時間があれば、専門家への相談により、迅速な問題解決ができるでしょう。
各自治体の窓口
住民税の滞納が生じたとき、該当する市区町村の窓口への問い合わせをしましょう。
それぞれの自治体は、住民のためにさまざまな支援制度を用意しているためです。
たとえば、住民税の分納や猶予といった便利な制度が存在します。
さらに、自治体によっては、平日の通常業務時間以外にも、夜や休日に相談に応じてもらえる特設窓口を開設している場所もあります。
そのため、日中忙しい方でも安心して相談可能です。
また、直接窓口を訪れるのみではなく、電話や郵便、電子申請の利用ができます。
とくにプライバシーを重視したい方や、窓口での直接の対話を避けたい方は、非対面の方法を選ぶとよいでしょう。
税理士
住民税の支払いが負担となり、悩んでいる方は税金に関しての専門知識が豊富にある税理士への依頼がおすすめです。
通常、税理士との初回相談料は、約30分で5,000円(税込)程度、1時間だと大体1万円(税込)程度である場合が多いです。
税理士に依頼すれば、税金の節約策や納税管理のコツを教えてもらえるでしょう。
税金に関して正しい知識を持てば、税金に関するトラブルの発生リスクを低減できます。
さらに、税理士の専門団体である税理士会が、一般の方向けに税に関する無料の相談会を開いていることも少なくありません。
住民税はもちろん、さまざまな税務に関する疑問や不安を、専門家に直接聞ける機会であるため、非常に貴重です。
無料相談会の情報は、各税理士会が運営する公式サイトや、その他の公式な情報発信ツールにて公開されています。
税務に関する悩みがある方は、近くの税理士会の情報をチェックし、相談会の日程を確認してみるとよいでしょう。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、財務状況を的確に把握し、将来のライフプランに合わせた助言や資金調整のアドバイスを提供する専門家です。
たとえば家族の収入・支出、負債の状況などをもとに、家の購入、退職後の生活など、さまざまな生活の経済問題に対して解決策を示してもらえます。
また、節税の知識豊富にあり、住民税の問題点や適切な対応方法についての相談が可能です。
ファイナンシャルプランナーは、無償の相談会を実施する場合もあるため、節税策や資金の運用方法を学べるでしょう。
住民税の支払いについて悩んでいる場合は、ファイナンシャルプランナーへの依頼を検討してみてください。
住民税の負担額が増加している理由
住民税の負担額が近年増加傾向にありますが、理由について気になる方は少なくないでしょう。
住民税の負担額が増加している大きな理由としては、次のとおりです。
- ・行政サービスの財源確保のため
- ・防災をおこなうための増税
- ・各自治体ごとに増税
それぞれ詳しく解説します。
住民税の使われ方
普段支払う住民税が何に利用されているか気になる方は多いかもしれません。
住民税は、社会福祉や子育て、生活保護などの民生費に最も多く利用されています。
民生費に次いで、道路や公園、住宅の建設や管理などの土木費にも利用されているため、覚えておきましょう。
住民税の一番の目的は、地方公共団体が地域に提供する行政サービスの財源を確保するためです。
普段何気なく利用している道路やごみの処理、学校のような教育機関などは、すべて無料で提供できるわけではなく、住民税の支払いにより維持されています。
住民税が高いのは昔からなのか
住民税は、毎年支払わなければならず、高いと感じることもあるでしょう。
住民税が高いと感じる理由としては、次のことが考えられます。
- ・防災をおこなうための増税
- ・各自治体による増税
それぞれ詳しく解説します。
防災をおこなうための増税
東日本大震災を教訓とし、地震や津波の被害に適応できる環境を築くための防災による増税が平成26年度に実施されています。
防災のために増税するための特例法が施行され、現在の令和5年度まで10年間、個人の県民税と市町民税の均等割の税率が500円ずつ引き上げられています。
結果、住民税が年間一人あたり1,000円増税されることになるため、覚えておきましょう。
東日本大震災は、非常に大規模な自然災害であり、何人もの命を奪い、現在もトラウマを抱えている方もいます。
住民の生命と財産を確保するための増税であるため、決して無駄な税金を支払っているわけではありません。
各市区町村で住民税増税による取り組みがどのような部分に利用されているかが公式サイトに掲載されているため、確認してみてください。
各自治体による増税
住民税が高いと感じる理由の一つとして、各自治体による増税が挙げられます。
住民税は、条例により自治体の裁量で課税額を決定できるため、地域差が発生する可能性があります。
ただし、住民税の計算方法は地方税のような法律で定められており、基本的には自治体によって大きな差が出ることはありません。
自治体によっては税率を上乗せして、課税している場合があることを覚えておきましょう。
住民税における地域差
住民税は原則として、標準税率が地方税法により定められているため、地域差はありません。
しかし前述したとおり、条例により自治体の裁量で変更できることから地域差が生じる場合があります。
地方自治体が標準税率を超過しての課税を超過課税と呼びます。
そのほかに、超過課税となるケースは、都道府県や市区町村が徴収する地方環境税があるかどうかです。
地方環境税は、自治体が環境負荷の抑制をするための税金になります。
基本的に住民税の税率が異なることはありませんが、住む地域により超過課税が変動するため、覚えておきましょう。
所得割に関する税率の地域差
所得割とは、前年の所得に応じて算出される住民税のことです。
そのため、前年度の所得が多いほど翌年の住民税は高額になります。
所得割の標準税率は、道府県民税の4%と市町村民税6%をあわせた10%であり、東京都の場合は地方税法上の特例として、都民税4%と市町村民税6%を合算したものになります。
また、政令指定都市の場合は、道府県民税2%と市民税8%を合算した10%となるため、覚えておきましょう。
また、自治体は独自の条例により標準税率と異なる税率を設定している場合があるため、税率に地域差が生じる場合があります。
地域差が原因で、住民税が高いと感じる可能性があることを覚えておきましょう。
住民税における所得割が他の市町村とは異なる自治体
住民税における所得割が他の市町村と異なる自治体として、神奈川県が挙げられます。
本来所得割の道府県民税は、道府県民税が4%と定められていますが、神奈川県では4.025%が設定されています。
また市区町村民税率は6%が基本ですが、豊岡市では6.1%、名古屋市では5.7%が設定されているため、税率が異なることがわかるでしょう。
神奈川県の場合、政令指定都市として認定されており、教職員の給与の負担を県ではなく市がおこなうこととなり財源移譲されるため、所得割が異なる可能性があります。
住民税における均等割が他の市町村とは異なる自治体
住民税における均等割が異なる自治体も、なかには一部存在します。
均等割の標準税率は、道府県民税1,500円と市区町村民税3,500円の5,000円と定められていますが、自治体により異なる税額を設定可能です。
たとえば、道府県民税が神奈川県では1,800円、宮城県では2,700円と異なります。
また、市区町村民税が名古屋市で3,300円、横浜市で4,400円となります。
自治体により均等割についても幅があるため、居住している地域の自治体に問い合わせや公式サイトを確認するなど、適切な住民税を把握しておきましょう。
【節税?】住民税を抑えるコツ
住民税を抑えるコツがあれば知りたいと考える方は少なくないでしょう。
住民税を抑えたい場合は、次のことを実施してみてください。
- ・個人型確定拠出年金(iDeco)
- ・個人年金保険
- ・ふるさと納税
それぞれ詳しく解説します。
個人型確定拠出年金(iDeco)
個人型確定拠出年金(iDeco)とは、企業及び個人が将来のための資産形成ができるほか、税制優遇が手厚く魅力的な制度です。
個人型確定拠出年金(iDeco)は自身で拠出する場合、掛け金が全額所得控除となり、所得税と住民税の負担が軽減されます。
たとえば、毎月3万円ずつ拠出する場合は、年間36万円が課税所得から控除される仕組みです。
なお、所得控除を受けるためには、確定申告や年末調整で手続きをおこなう必要があることを覚えておきましょう。
個人年金保険
個人年金保険とは、将来の安定した生活のための制度の一つです。
保険の性質上の老後の資金確保のみではなく、税制上のメリットが存在します。
具体的には、個人年金保険料控除と呼ばれる制度を利用して、毎年の所得税と住民税の負担軽減が可能です。
個人年金保険料控除は、所得控除のカテゴリーのなかで生命保険料控除として位置づけられています。
老後の生活費の確保を目的として、個人年金保険に加入すると、控除の適用を受けられます。
ただし、控除を受けるためには一定の要件が必要であるため、詳細な条件については個人年金保険料控除の適用条件を確認してください。
控除の仕組みとしては、加入者が年間で支払った個人年金保険料を、その年の総所得から差し引きます。
結果として、所得税と住民税の負担が軽減されます。
とくにサラリーマンは、年の終わりに行われる年末調整の際に、個人年金保険の控除による還付金が役立つでしょう。
ふるさと納税
ふるさと納税は、自身が選んだ自治体への寄付により、寄付した金額から2,000円引いた金額について住民税の控除が受けられる制度です。
ふるさと納税は、寄付した自治体からお礼として各地域の特産品が寄付金額の3割以内に相当する返礼品として、もらえます。
たとえば。8万円を寄付した場合は、最大で24,000円分の返礼品がもらえるほか、税額控除が受けられます。
地域の名産品から寄付した地域に対して、親近感のようなものも感じられるため、おすすめです。
まとめ
住民税は支払わないと最悪の場合、資産の差し押さえがおこなわれるため注意が必要です。
住民税の支払いが何かしらの理由で厳しい場合は、徴収猶予をおこなうことや債務整理をおこなうことがおすすめです。
しかし、自身で住民税が払えない場合の対処を講じることが難しいのであれば、税理士やファイナンシャルプランナーのような専門家に相談しましょう。
また、現代はiDecoやふるさと納税などの住民税の負担を軽減する制度も設けられているため、ぜひ利用してみてください。
<参考リンク>