男性ホルモン、なかでもテストステロンの分泌を増やすことで、数々のメリットがあることは知られています。
しかし一方で男性ホルモンが増えすぎると、体毛が濃くなるのでは?と懸念されている人も多いのではないでしょうか?
またよく体毛が濃い男性は薄毛で悩むとの噂も耳にします。
そこで今回の記事では、男性ホルモンと体毛の関係、また薄毛との関係もあわせて解説いたします。
男性ホルモンと体毛の関係
まずはじめに体毛の役割から考えていきましょう。
体毛の役割についてはまだわかっていないことも多いのですが、一つの有力な仮説として外部の刺激から身を守るためというものがあります。
現代社会では気にすることはないですが、今から何万年も前の狩猟採集時代まで遡ると、私達人間は動物を狩ったり果物や野菜を採集したりすることによって食料を得ていました。
そのような環境の中で体毛は、たとえば日差しから肌を守ったり、砂ぼこりが体内に侵入するのを防いだりする役割を果たしていたのではないかと考えられています。
また特にそのような時代では主に男性が狩りに出かけることが多かったことから、体毛の濃い男性が有利に生存競争を生き残り、結果として男性ホルモンの特徴に体毛を濃くする作用が残ったのではないかといわれています。
男性ホルモンと薄毛の関係
ところで男性ホルモンが多い、つまり体毛の濃い男性というと、薄毛のイメージを抱く方も多いのではないでしょうか?
実は男性ホルモンには体毛を濃くする作用がある一方で、髪の毛を薄くしてしまうリスクもあります。
一言で男性ホルモンといっても、実は様々な種類が存在しています。
なかでもテストステロンは、筋肉を増やしたり脂肪を減らしたりなど、様々なポジティブな作用から多くの方に知られています。
一方で髪の毛を減らす作用があるのは、このテストステロンと身体の中の5αリダクターゼという酵素が作用して生み出されるジヒドロテストステロンという男性ホルモンになります。
通常髪の毛というのは、成長期からはじまり、退行期、休止期を迎えて抜けていきます。
本来であればこの成長期が数年単位で存在するため、髪の毛のうち何割かが退行期や休止期を迎えていたとしても、髪の毛が薄くなることはありません。
しかしこのようなヘアサイクルを司る毛母細胞や毛乳頭細胞がジヒドロテストステロンの影響を受けることで、正常な毛周期が乱れてしまい、成長期が半年から1年という短い期間に変わってしまいます。
その結果として、成長期の髪の毛がなくなってしまいハゲの原因となります。
これがいわゆるAGA( Androgenetic Alopecia )、男性型脱毛症のことです。
しかし現在では男性ホルモンの働きをそのままに、5αリダクターゼの働きをおさえる薬が存在しています。
そのためテストステロンを増やしたからといって、かならずハゲるというわけではありません。
男性ホルモンが減少すると更年期障害のリスクが高まる
そうはいってもこのようなお話しすると、薄毛のリスクを抑えるためには男性ホルモンを少なくする方が良いように思われるかもしれません。
また最近では中性的な男性が好まれる傾向でもあるため、どちらかというと体毛は薄いほうが好まれやすく、より一層男性ホルモンが悪者に見えてしまうでしょう。
しかし男性ホルモン、特にテストステロンには非常に重要な役割があります。
先程もすこし触れましたが、テストステロンには筋肉量を増やし、中性脂肪を減少させる作用があります。
さらにそのような身体的メリットだけでなく、記憶力や認知力を高めて仕事のパフォーマンスを高めてくれたり、高齢者の方にとっては認知症の予防効果も知られています。
他にももちろん性ホルモン本来としての働きである性欲増進作用もあるため、男性ホルモンは心身ともに若々しく居続けるためには、必要不可欠なホルモンといっていいでしょう。
またもし男性ホルモンの分泌量が減少してしまうと、更年期障害を引き起こすリスクもあります。
更年期障害というと、女性がなるものというイメージがあるかもしれませんが、実は男性も同様になる可能性があります。
女性の更年期障害の場合は閉経時にわかりやすく症状が出るため、すぐにそれが更年期障害だと認識できるのですが、男性の場合は30代後半から徐々にホルモン分泌が減少していくため年齢のせいにしてしまうことが多いです。
実際に更年期障害になると、以下のような症状があらわれます。
- 身体のほてり
- 動悸がする
- 不眠などの睡眠障害
- 不安やイライラ
- 筋肉量の低下と体脂肪の増加
- 性欲低下やED
もし現在このような症状に心当たりのある方は、お近くの医療機関をご利用ください。
当クリニックでも男性ホルモン注射の施術は可能です。

男性ホルモンを正常に保ちつつ、体毛ケアをすることが重要
男性ホルモン、なかでもテストステロンは男性にとって非常に大切な役割を果たしています。
そのためその分泌を正常に保ちつつ、体毛については定期的にケアしてあげることが大切です。
そこで最後はホルモンバランスを正常に保つ方法について解説いたします。
男性ホルモン注射
忙しい毎日の中で生活習慣を根本的に変えることは非常に難しいです。
特に男性ホルモンの減少がはじまる30代のタイミングは、仕事で重要な役職を任されたり、お子さんが生まれたりと仕事でもプライベートでも非常に多忙な時期になります。
そんなタイミングでも手軽に男性ホルモンのバランスを整えられるのが男性ホルモン注射です。
男性ホルモン注射は一回あたり10分程の施術時間で、確実に男性ホルモンの量を増やすことができます。
早い人ではその日の帰り道には効果を実感できるほど即効性が高く、また医師による検査と指導のもと行われるため安全性も非常に高いです。
費用も一回あたり20,000円程度で、時間を大幅に節約できることを考えると、非常にリーズナブルなものになっています。
当クリニックでも男性ホルモン注射の施術をおこなっています。
気になる方は是非クリニックまでお越しください。
バランスの取れた食事
テストステロンをはじめとする男性ホルモンはコレステロールを原料として作り出されています。
また男性ホルモンと筋肉は鶏と卵のような関係にあり、筋肉量が増えると男性ホルモンの分泌が増え、男性ホルモンが増えると筋肉量も増えるということがわかっています。
また糖質と男性ホルモンにも密接な関係が存在するため、過度な糖質制限などはおこなってはいけません。
つまり男性ホルモンの分泌を考える上でも、特定の栄養素に偏ることなく、バランスの取れた食事を摂ることが重要ということです。
もちろんその前提で積極的に摂取することをおすすめしている栄養素もあります。
以下の記事でご紹介しているので、興味のある方は是非ご覧ください。
睡眠
人間の身体は睡眠時に多くのホルモンを分泌します。
男性ホルモンもその例外ではなく、適切な分泌を促すためには最低でも6時間、できれば7時間以上の睡眠時間が必要です。
また睡眠の量だけではなく睡眠の質を高めるためには、なるべく毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きるように心がけましょう。
生活リズムが整うことで夜の寝付きが良くなり、睡眠の質を高めることにつながります。
他にも寝具にこだわって自分に合うものを揃えたり、室温を一定に保つことでも睡眠をより良くすることができます。
運動
先述の通り、男性ホルモン、特にテストステロンと筋肉は非常に密接な関係があります。
そのため適切なホルモンの分泌には筋トレがおすすめです。
また筋トレの中でも特に大きな筋肉を使う種目がより効果的です。
たとえばデッドリフトやスクワット、ベンチプレスなどのビッグスリーと呼ばれるトレーニングは、大腿四頭筋や大臀筋、広背筋、大胸筋などの大きな筋肉に効率よく負荷をかけることができるため、男性ホルモンの分泌にも非常に役立ちます。
まとめ
男性ホルモンと体毛や薄毛との関係を考えると、人によってはネガティブなイメージをもってしまうかもしれませんが、その他にも非常に重要な役割を果たしており、私達が若々しく健康的に過ごすために必要不可欠なものだとご理解いただけたら幸いです。
オーシャンメンズクリニックでは、男性ホルモン補充療法として男性ホルモン注射をおこなっています。
またパーソナルジムとも提携することで、医学的なアプローチに加えて生活習慣そのものを改善するお手伝いもしています。
ホルモンバランスを整えて健康的に若々しく過ごしたいとお考えの男性の方は、是非お気軽に当クリニックまでお越しください。